H-IIA F9 / MTSAT-2打ち上げを観に行った (2/18)

向こうでネット環境を得られなかったので、書き留めていたものを順次上げていこうと思います。 鯖不足のため写真は若干はしょり気味です。 余裕が出来れば色々追加するかも。

■空路で種子島に向かう

さて当然の事ながら前日になるまでまともに荷造りしていなかったため3時間しか寝られないまま旅立ったわけですが、空港を発つまで大阪は超晴天でした。

伊丹空港


国産旅客機YS-11に乗り国産ロケットH-IIAを観に行く。

チケットは往復割引でゲッツしたものの8号機の延期により打ち上げスケジュールが軒並み変更になったため一旦解約し、懲りずに再び往復割引のチケットを購入。 ここにきて解約手数料3割負担は結構キツイが、予算との兼ね合い上は一旦解約した方が負担は少ない。
ところで当方飛行機は初めてだったのですが小型機のためか天候の怪しいところでは結構揺れる。 どれくらいかというとデコボコ道を走る車くらい揺れる。 なのであまり大した事は無い(アレ?)。 このような具合にワクテカしながらユラユラしていたらあっという間に種子島に着きました。 2時間近くのはずなのに体感30分くらい。


10:50 種子島空港着。 この時点では天候は晴れ。 空港の駅舎はかなり小さく、田舎のJR駅のような感じでした。 お土産コーナーは充実しており、伊勢エビや火縄銃のようなものもラインナップされており物色するも値段が結構張るので諦める。 インギー鶏も名産だそうですよ。 手荷物を待っていると、JAXAの中の人が関係者らしき人達を出迎えておられました。 やっぱり乗ってるんだなあ。

ちなみにこの空港、大きな空港に移転するに伴い3月で閉港するのだそうです。


中種子町に宿を得たので近場だと楽観視していたらかなり起伏に富んだ道のりに肩に食い込むドラムバッグの重量でモヤシボディが震え始める。 というかウグイス鳴いてる。 春が来てる。 汗かいた。

■打ち上げ観賞ポイントに出かける

11:30 宿に到着。 荷物をほどきPCを立ち上げて一応持ってきた無線LANの設定を弄っていたらいつの間にか12時を回っている。 郵便局前の野間バス停から12:26発の南種子町方面行きバスに乗る。 頻繁にバス停があり、ネットで探した路線図は結構大雑把と知る。 そんなもんですか。


12:45 長谷バス停下車。 中種子から南種子といっても15〜20分程度と結構近所。 降りてすぐに標識が。

もくもくと歩く。 春ですなあ(*´∀`)

              ↑隙あらば広がるサトウキビ畑


13:00 長谷展望公園到着。 徒歩15分程でした。 打ち上げ2時間半前、まだ人はまばらで最前列を余裕で確保。

この時点ではまだ射場上空は晴天。 H-IIAも立ってます。 大型組み立て棟が手前にあるので、ロケットが見えるようなるべく左側に陣取る。


お隣に京都から来られたというお兄さんとおじさん。 意気投合。 地図を貰う。 南種子町中種子町の宿が間に合わず西之表市の宿から1時間以上かけてバスで来られたそうです。 自分も1ヶ月前に宿探しをした時には既に南種子町は全滅でした。 奢ってもらったタンカンをほおばりつつマターリと待つ。


14:00 一気に分厚い雲がせり出してきました。 まだ雲の切れ目はあるもののヤベェー


14:40 JAXAライブ中継が始まる。 今回は重量的にモニターカメラ(装備すると50kg程になるらしい)を積む余裕が無いため打ち上げ後はテレメーターの情報のみで盛り上がらなければならない。 未だ曇り。 しかも風が出てきて急激に寒くなってきました。 体感的に10度下がった感じで、ジャンバーを羽織り手袋を装着。 やがて打ち上げ時刻が迫り、続々と人が集まってくる。


15:24 打ち上げ200秒を切りました。 カウントダウンが鳴り響く。

打ち上げ1分前。 緊張感が漂うも興奮がそれを上回る感じ。

「メインエンジン・イグニション!」



SRB-A点火、リフトオフ。 オレンジ色の光が輝く。
SSBと呼ばれる小型補助ロケットは発射10秒後にSSB第1ペア(3枚目)、20秒後に第2ペア(8枚目)を空中点火し、噴射光がボワッ、ボワッと大きくなりぐいぐい加速していきます。 従来は第1ペアの燃焼終了後に第2ペアが燃焼開始されるものが、今回は同時燃焼される、つまりLE-7A・SRB-A×2・SSB×4の計7本のモーターが同時燃焼というこれまでの中で最大火力仕様。 うおおおおおo



雲に入った!orz
そしてようやく届く轟音。 「ゴゴゴゴドドドドドドドドドドドバリバリバリバリバリバリバリバリ(略)」という地鳴りのような空気の振動と衝撃波。 すさまじいパワーに圧倒されます。 しかしカメラに気を取られているうちにすぐ見えなくなり軽く後悔。 H-IIA9号機の飛翔は20数秒ほどしか見られませんでした。
じきに公園内に2台設置されたJAXA実況テレビに観衆が集まります。 職員が夜なべで作ったという地球模型登場。 数分後に「SSB分離」というアナウンスが入る。 晴れていたら切り離された4本のSSBが四方に散る様子が見えていたはずなのが非常に残念! 次いでSRB-A分離・衛星フェアリング分離成功。

やがて第1段エンジンは無事燃焼終了し分離、第2段エンジンに火が入る。 低軌道の地球周回軌道に入った時点で一旦燃焼停止し慣性飛行、その後再点火し静止トランスファ軌道とよばれる遠地点が静止軌道に接する楕円軌道に投入成功し、衛星分離。 管制室とそれを映すテレビの前の観衆に拍手が沸き起こる。 1ヶ月間隔で行なわれたH-IIAロケット打ち上げは一切のトラブルの無い完璧な締めくくりとなりました。 見事!


とはいえ、今度は衛星の仕事が残っています。 今後5日間ほどをかけ、H-IIAから切り離されたMTSAT-2は段階分けして加速を行ない、徐々に楕円軌道から円軌道=静止軌道に近付けていくわけで、そして太陽電池パドル展開に成功すれば晴れてMTSAT-2は「ひまわり7号」と命名される運びだそうです。
ひとまず皆さんお疲れ様でした!!


H-IIA F9MTSAT-2ピンバッジをゲッツ

で、あまりにドンピシャで打ち上げ成功したため4日後の飛行機(往復割引のため)まで何をして暮らそう。 とりあえずはビールで祝杯をあげました。 (つづく)