中国が弾道ミサイルでの衛星破壊実験に成功 [読売]

破壊したのは中国保有の気象衛星「風雲1C」らしい。

実験は米国の航空宇宙専門誌「エビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー」(電子版)が複数の米情報当局者の話として伝えたことで明らかになった。同誌によると、ミサイルは米東部時間の今月11日夕方、四川省西昌市にある宇宙センター付近から発射された。搭載された弾頭は、標的に体当たりして衝撃を与える「運動エネルギー撃破飛しょう体」で、高度約850キロにあった自国の古い気象衛星に命中、破壊したとみられる。発生した多数の破片は今後、長年にわたって軌道上を漂い、他の衛星を傷つける恐れがある。

実験の成功が事実ならば、中国が米国の偵察衛星などを攻撃する技術力を示したことになる。中国は、米国の偵察衛星に対して地上からレーザーを照射する実験も、過去に複数回行っていたことが昨秋、軍事専門紙で報じられていた。ロイター通信によると、衛星破壊実験は、1985年に米国が実施して以来。

迷惑千番ですね。 高度850kmの気象衛星といえば極軌道、地球観測衛星や天文衛星御用達の地球周回軌道です。 今回のものがどの程度の「運動エネルギー」なのかはわかりませんが、四方八方に爆散する残骸による他の衛星への影響は拭い切れないのではないでしょうか。 昔アメリカも同様の破壊実験を行ったことがあるそうですが、飛散した残骸により10数年間はその軌道が使えなくなったという話もあります。 今や地球を周回する衛星の数は当時の比ではありません。
まあ、おそらく解かっててやっているだけに性質が悪いですねー。 技術力云々以前に利用する環境の保全というものを学んで欲しいね。 宇宙空間は物理的にヒジョーにシビアな場所ですよ。 それとも自国を環境汚染するだけでは物足りないのでしょうか?

■関連:中国、対衛星兵器を実験・多数のデブリが発生か [Technobahn]

米国は1970年の後半から今回、中国が実験したものと同じようなASATの開発に着手。その後、空中発射型のロケットミサイル(ASM-135 ASAT)の開発に成功。1985年にF-15戦闘機からASM-135を発射して軌道上にある使われなくなった衛星の破壊実験に成功した。しかし、この実験では地上から観測可能な程おおきなスペース・デブリが約200個も発生。このデブリが全て地球に落下して軌道が再利用可能となるには約17年の年月が必要となった(Krepon, Michael. "Seven Questions: Space Weapons." Foreign Policy. July 2005 issue)。ミサイルによる衛星の破壊は結果として生じたデブリにより他の衛星に2次被害をもたらす危険性が高いことが判明したため、米国はその後、地上発射型のASATの実験は行っていない。

■関連:【関連】衛星破壊実験 中国紙『平和目的』 [東京新聞]

■政府の「懸念」に中国「十分留意」

塩崎恭久官房長官は十九日午前の記者会見で、中国の衛星破壊実験について「宇宙の平和利用、安全保障上の観点から当然、懸念を持っているところだ」と表明した。

一方、麻生太郎外相が記者会見で明らかにしたところによると、日本政府が事実関係と実験意図の説明を中国政府に要求したのに対し、中国側は「日本の通報を理解し、十分に留意する。宇宙の平和利用は一貫している」と回答した。

日本側は「事前の通報がなく、破片も飛ぶ。平和利用としてはいかがなものか」と懸念を伝えた。

で、これ何てMOONLIGHT MILE