制御不能の米スパイ衛星、ミサイル命中 国防総省発表 [朝日]

どうやら成功した模様です。

国防総省は20日、制御不能になったスパイ衛星を破壊するため、太平洋上のイージス艦から迎撃ミサイルSM3を発射、命中させ、破壊に成功したと発表した。米軍は21日朝、人体に有害な燃料ヒドラジンを積む燃料タンクを「破砕できた可能性は高い。残骸(ざんがい)は大気圏突入時に次々に燃焼し、これまでのところ、地上に届いたものはない」と、作戦結果に自信を示した。

発表によると、ミサイルは米東部時間の同日午後10時26分(日本時間21日午後0時26分)、ハワイ周辺海域付近に展開する海軍のイージス艦レーク・エリーから1発発射された。高度約250キロの太平洋上で衛星に命中したとしている。

問題の衛星は、米国家偵察局(NRO)が06年12月に打ち上げたが、直後に制御不能になった。姿勢・軌道制御に使うヒドラジンを約450キロ積載していた。ヒドラジンは有害物質で、このまま放置して落下した場合は、万が一人口密集地に落ちると死傷者が出る恐れもあるため、国際的に反響を呼び、米政府は今年1月からミサイルによる破壊を検討してきた。

もともと落下寸前の低軌道なので、残骸の大半は数十時間で落下すると思われます。 23日のH-IIA14号機打ち上げが気になりますが、まあ下手なタイミングでも無い限り打ち上げに支障は無いでしょう。 破片の軌道も低いですしね。

米国の衛星撃墜、中国が憂慮示す [読売]

米国が偵察衛星をミサイルで撃墜したことについて、中国外務省の劉建超・報道局長は21日の定例会見で、「我々は、こうした行動が宇宙の安全と他国にもたらすであろう損害を追跡しているところだ」と述べ、憂慮を示した。

その上で劉局長は米国に対し、国際義務を適切に履行し、必要な状況説明や関連データ提供を迅速に行うよう求めた。

今日の中国は「お前が言うな」尽くしですね。 今回の件は少なくとも中国よりは情報が出てると思いますよ。 あと、デブリはすぐに大気圏に捕まり落下すると思われるので、中国が定常軌道に盛大にばら撒いたものに比べ遥かに影響が低いでしょう。 あまりやるべきではないとは思いますが。 まあ、もし今回の破壊で中国並みにデブリを発生させたなら、当然中国の時と同じようにアメリカも批判されたでしょうね。 今回のケースは落下の危険性・限定的なデブリMDシステムのデモという色んな側面がありますので、自らは何の説明もしない中国は多少文句は言ってもあまり強硬には言えないところでしょう。 ともあれ、情報開示なら事態が深刻な中国の方こそ是非してもらいたいものです。