ソユーズ宇宙船、帰還モジュールの再突入は危機的状況だった [Technobahn]

NASAによるとソユーズ宇宙船は大気圏再突入を行う際にはソユーズ宇宙船から帰還モジュールの分離が実行されるが、TMA-11の場合にはこの分離処理が実行されなかったため、コンピューターの判断により爆発ボルトを使って軌道モジュールを緊急分離する処理が実行。

一連の分離作業の遅延のため、帰還モジュールとサービスモジュールの分離が完了する前にこの2つのモジュールは大気圏に接触。帰還モジュールとサービスモジュールの分離が爆発ボルトを使って実行されたか、通常の処理で実行されたかは、今のところは判っていないが、帰還モジュールとサービスモジュールの分離が遅れたため、コンピューターの判断により通常の軌道よりも急降下で大気圏に突入する「弾道飛行モード」で再突入が実施されたことが、着陸地点が予定よりも手前に420キロもずれた原因になったと説明している。

NASAでは「弾道飛行」とは大気圏をクッションにして再突入を行う通常の方法ではなく、ライフル銃の弾丸のように真っ直ぐに飛行する方法だと述べている。

再突入が弾道飛行モードで実行されたため、再突入角度の問題から耐熱シールドが施されていない箇所まで高熱に晒され、帰還モジュールの緊急脱出用ハッチは損傷、通信用アンテナは喪失。

帰還モジュールのパラシュート展開と着陸作業は正常に実行されたものの、帰還モジュールの通信アンテナが喪失してしまったために、飛行士は帰還モジュールに搭載されていた衛星通信電話を用いて宇宙船回収チームに連絡を取り、救出を待ったとしている。

弾道飛行モードというのはつまり浅い突入角度で揚力を利用し徐々に減速しつつ高度を落としていくという従来の再突入ではなく、遅れたタイミングを取り戻すために深い突入角度で一気に減速するというものなんですか。 モジュールの一部が焼失するくらいですからかなりヤバかったですね。 無事帰還出来て何よりです。