インドの月探査機「チャンドラヤーン1」、来月の打ち上げが決定 [Technobahn]

インド宇宙研究機構(ISRO)は18日、インド初の国産月観測衛星「チャンドラヤーン1(Chandrayaan-1)」の打ち上げを10月22日から10月26日の範囲で実施することを発表した。

チャンドラヤーン1」はインドが初めて開発を行って月観測衛星。衛星重量は約523キロで最終的には日本の月観測衛星と同じ月の高度100キロの周回軌道に投入され、搭載されているX線や光学カメラを使って月面の詳細観測を約2年間に渡って実施の予定。

チャンドラヤーンは約1ヶ月後の打ち上げが設定された模様です。 今年の春からずるずると延期されてきましたが、いよいよ追い込みのようです。 ちなみに打ち上げ時の衛星重量は約1.3トンだそうです。

チャンドラヤーン1」にはまた、月面の構成要素を詳細分析するためのペネトレーターも搭載。ペネトレーターは月軌道に到達後に「チャンドラヤーン1」から発射され月面に高速度で衝突。衝突した際に巻き上げられる物質をスペクトル分析などの手法で解析することで月面の構成物質の分析も実施される予定で、内容的にも非常に革新的な月観測衛星ともなる。

ペネトレーターを使った月面観測はJAXAが「LUNAR-A」計画で実施することを計画していたが、衛星の打ち上げを予定していたM-Vロケットの廃止で計画自体も廃棄されたこともあり、ペネトレーターを使った分析は多くの関心を集めている。

日本のペネトレーターは月面に観測機器を打ち込んで直接データを得るのが目的なので、巻き上げる土壌を観測するのとは全然違いますけど。

この「チャンドラヤーン1」、予算総額は38億6000万ルピー(約91億円)。金額的には日本の月観測衛星「かぐや」の約500億円の5分の1以下。

日米の月探査計画だとロケットの打ち上げ費用だけでもそれ位はかかってしまうということもあり、探査計画が予定通りに成功した場合には、これまで数百億円の費用がかかるのは普通とされてきた宇宙探査の分野における価格破壊につながることともなりそうだ。

というか日本の場合「かぐや」ほどの大規模な探査機はそもそも異例なんですけどねw それでもNASAあたりの探査機に比べると随分格安ですが。