「第33回JAXAタウンミーティング in 飛騨」 開催報告 [JAXA]

最近よく開かれてるJAXAタウンミーティングですが、ちょくちょく面白い話も。

2012年には、より解像度を向上させるべく、先にも申し上げたASTRO-Gというものを打ち上げます。これですと例えば、ブラックホールを、「黒い穴」として見られるかもしれません。ブラックホールの存在はいろいろな方法で示唆されていますが、でも、まだだれも「黒い穴」として見たことがないんです。その黒い穴の大きさはシュバルツシルト半径というのですが、このASTRO-Gだとシュバルツシルト半径の3倍ぐらいまで迫れるので、ひょっとする黒い穴が見られるかもしれない。一番最初に人類がブラックホールブラックホール(黒い穴)として見られるかもしれません。

スピカはまさにそれを目指します。また、像を得るだけではなくて、その大気の組成を調べるともめざします。実は、地球の大気というのはものすごく稀な組成の大気です。地球の大気には酸素があるのです。酸素が20%も含まれています。これはとてつもないことでして、酸素というのは御存じのように酸化剤ですから、ものすごく危険な材料です。反応性に富むので、何もしないで原始太陽系から私たちの地球をつくったら、酸素なんていうのは大気中にはありません。大気中にこんな物騒な、すぐ酸化するようなものがうようよいるはずがない。ところが20%もある。これはなぜかというと、ちょっと前に地球が大環境破壊を受けたのです。それは何かというと、植物が生まれて光合成が起きたのです。光合成というのは、酸素分子を大気中に戻してしまいます。逆の言い方をすると、生物なしで惑星を作ったら、大気中に酸素というのはあり得ないのです。ですから、もしスピカを飛ばして赤外線で観測を行って、太陽系外の惑星の大気の中に酸素を見つけることができたら、おそらく、それは生物の兆しではないかということになります。別にそれが高度な生物であるという保証はありません。アメーバかもしれません。しかし、それは無生物、生物という分け方をすれば、明らかに生物です。このようにして、地球外の生物の存在の証拠を調べられるのではないかと期待しています。

次世代天文衛星は凄い事になりますね。 SPICAはまだプリプロジェクトの段階ですが今から期待が膨らみます。

例えば2010年にPLANET-Cと同時に、私たちはソーラーセール実験機というものを打ち上げるのですが、将来的に大きな太陽電池を乗せて、高い電力を発生させて、それで効率のいいイオンエンジンを動かしたい。そういったものの技術実証の第一歩にしたいと考えています。

あれ、ソーラーセイル実験機もPLANET-Cと一緒に打ち上げるんですか。 以前発表された相乗り衛星のリストでは触れられてませんでしたが、やはり検討されてたんですかね。 これは楽しみ。