コロンビア、最終事故報告書を発表 [sorae.jp]

NASAは12月30日、2003年2月1日に起きたスペースシャトル・コロンビア(STS-107)の空中分解事故についての最終事故報告書を公開した。

計400ページにも及ぶ報告書の中で、機体が制御不能に陥った後の40秒間、搭乗クルーらは生存していたものの、その後の急激な減圧で意識を失い、どのような装備を用いたとしても、生存できた可能性はなかったと結論付けた。

また、制御不能になった後、宇宙飛行士らは最後までその原因を特定しようと努力し、大量なデータが残されており、あまりにも急激な減圧により、ヘルメットを被る時間もなかったという。NASAはこの報告書の中で、宇宙船内及び宇宙飛行士の装備についての改善項目を多く挙げている。

「私は商業と民間に関わらず、世界中の宇宙船デザイナーに、この報告書を読み、多大の犠牲を払ったこの厳しい教訓を学んで欲しいと呼びかけている。勇敢なコロンビアの搭乗クルーらが、宇宙船をコントロールするため、あらゆる方法を試みたことが、この事故では生存できる可能性はなかった」

今回の報告書について、元シャトル計画マネージャーのウェイン・ヘール氏(Wayne Hale)はこのように述べた。

空中分解シャトル、最後の40秒を報告 NASA [CNN]

報告書は遺族の希望で、クリスマスから年始までの休暇中に公表された。400ページにも上る膨大な報告書のため、遺族らは休暇の時間を使ってじっくりと読みこみ、家族と話し合いたいとしている。

搭乗飛行士らが着用していたヘルメットや宇宙服、座席ベルトなどに欠陥があったとしているが、この事故においては、どのような装置・装備でも飛行士の命は助からなかったと指摘。また、シャトルを制御できなくなり、「死の恐怖」を感じていたが、急激な気圧低下により意識を失っており、苦しみはなかっただろうとしている。

南無…