H-IIBロケット試験機の準備状況について [JAXA]

■開発状況

実機と同じ構造体を用いた強度試験(認定試験)において、フェアリング下端部に設けた円周状の分離機構部の一部である分離ナット金具および分離機構(ボルト)が破損する2件の不適合が発生した。

■対策

分離ナット金具:破損部および周辺部を補強
分離機構(ボルト):ボルトへの負荷を低減するため、補強金具を取付け

■対策の検証状況

上記2件の不適合の対策を検証する目的で平成21年4月に実施した実機大強度試験において、分離機構(ボルト)に負荷される曲げ荷重が予測を上回る事象が発生した。曲げ荷重を低減するため、分離面の滑りを抑制するピンを分離機構に追加する対策を行った。
これを受け、平成21年6月23日及び29日に再試験を実施した。その結果、終極荷重に耐荷するとともに、取得した歪等のデータが予測解析と一致することを確認し、対策設計の妥当性が確認できた。

7月24日及び8月12日に下記を目的としたHTVフェアリングの分離
放てき試験を実施した。試験結果は良好でフェアリング開発試験を完了
した。

  • 分離機構が正常に作動すること。衝撃が規定値以下であること。
  • 開頭機構が正常に作動し、HTVとのクリアランスが確保されること等。

というわけで、先日の放擲試験のデータも良好だったようです。これはめでたい。