(pdf) 平成22年度の業務運営に関する計画(年度計画) [JAXA]

今年度やること色々。

(a) 陸域観測衛星の研究開発
本プログラムに関する衛星の研究開発として以下を実施する。

  • 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)の詳細設計、エンジニアリングモデルの製作試験、及び地上システムの開発
  • 陸域観測技術衛星3号(ALOS-3)の研究
  • 超低高度衛星技術試験機(SLATS)の研究
  • 将来の災害監視・通信ミッションに向けたミッション機器等の研究

ALOS-2はいよいよEM制作に入るようです。

(b) ALOSによる災害状況把握の実施
ALOSの後期運用を実施するとともに、大規模災害が発生した場合に緊急観測を行い、国内外の防災機関等のユーザに情報を提供する。
防災利用を促進するために、関係機関及び地方自治体等のユーザと連携して、衛星データの防災利用実証実験を実施し、衛星地形図の整備・提供、地震の評価活動や火山の監視活動に資する地殻変動に関する情報の提供、水害の被害状況に関する情報の提供などを行い、人工衛星による災害状況把握の有効性を実証する。
また、国際災害チャータの要請に対し、ALOSを用いた観測を可能な範囲で実施し、データを提供する。
センチネル・アジアの活動については、ALOS、超高速インターネット衛星(WINDS)等を用いたセンチネル・アジアSTEP2システムの運用により、アジア・太平洋地域の災害情報の共有化をより一層進める。また、国際災害チャータと連携し衛星画像の提供を行うなど、関係機関との協力をより一層推進させる。

センチネル・アジアSTEP2システムはこれらしい。

人工衛星を利用したアジア太平洋域災害管理システム「センチネルアジアSTEP2」が本稼働 [FUJITSU]

参加各国が保有する観測衛星の画像をリクエストに応じて提供するシステムで、既に試験運用として昨年から配信しているそうです。

(a) 科学衛星の研究開発
本プログラムに関する衛星の研究開発として以下を実施する。

  • 金星探査機(PLANET-C)の打上げ・運用及び金星大気の観測開始
  • 日欧共同の水星探査計画であるベピコロンボ(Bepi Colombo)計画の水星磁気圏周回衛星(MMO)の詳細設計及びフライトモデルの製作
  • 電波天文衛星(ASTRO-G)の技術課題解決の見極め及び開発計画の再評価
  • 小型科学衛星シリーズの研究開発
  • 次期国際X線天文衛星(ASTRO-H)の基本設計及び詳細設計
  • 次期赤外線天文衛星(SPICA)の研究

MMOはいよいよFM制作に着手。ASTRO-Gは大丈夫でしょうかねえ。何とか解決すると良いんですが。

小惑星探査機(MUSES-C)の地球帰還、再突入運用とカプセル回収作業を行う。カプセル回収後はカプセル開封、キュレーション(試料の受入・処理・保管)、初期分析までの作業を進め、試料分析についての国際公募発出の準備を行う。
また、月周回衛星(SELENE)の観測運用により得られたデータの解析を実施し、世界最高水準の宇宙科学、探査技術等に関する研究成果を得る。
小型ソーラー電力セイル実証機を打ち上げ、軌道上において技術実証を行う。
また、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)の活動を通じて、国際協力を主軸とする将来の月・惑星探査計画及び宇宙探査システム及び技術開発計画の検討を行う。また、これらにおける国際協働協議を進める。
月面着陸・探査ミッションについては、月探査懇談会の結果を踏まえ、機体や搭載観測機器・実験機器の研究を進める。MUSES-C後継機についても、機体や搭載観測機器・実験機器の研究を継続する。さらに、今後の月・惑星探査データの世界への普及を目的として、探査機の観測データ、調査・検討・解析データ等のデータベース上のデータの更新、理学研究を行う。

はやぶさ」の受け入れ準備が本格化。「はやぶさ2」は研究継続。

(2)宇宙ステーション補給機(HTV)の開発・運用
ISS共通システム運用経費の我が国の分担義務に相応する物資及びJEM運用・利用に必要な物資の輸送・補給を目的として以下を実施する。

  • HTV 2号機の機体の製作、打上げ準備、打上げ、及び運用準備、運用管制
  • HTV 3号機以降の機体の製作及び打上げ用H-IIBロケットの調達並びに物資の搭載に向けた調整

また、将来の軌道間輸送や有人システムに関する基盤技術の修得を目的として、以下を実施する。

  • HTVへの物資回収能力付加に関する検討

HTV-2の予定は今年度を維持。回収能力付加については先日の理事長記者会見で研究開発室が設置されると発表がありました。

(1)基幹ロケットの維持・発展
基幹ロケットの部品枯渇に伴うアビオニクス機器等の再開発を確実に進めるとともに、基幹ロケットの改善・高度化の具体的な仕様検討ならびに技術的な見通しを得るために必要な試験などを行う。また、将来の衛星需要等に柔軟に対応する打上げシステムや将来輸送系へ発展し得る宇宙輸送システム共通の技術基盤を構築するための要素技術等の研究開発を、本計画に基づく技術開発と併せて行う。
H−IIBロケットについては、2段機体の制御落下を実現するシステムやフェアリングの改良など信頼性・運用性の向上を図る。
打上げ関連施設・設備の効率的な維持・老朽化更新及び運用性改善を行う。

2段機体を軌道離脱させる機能を付加するそうです。H-IIBにと書いてますけどこれH-IIAにも付くんですかね。

(2)LNG推進系
GXロケット及び液化天然ガスLNG)推進系に係る対応について」(平成21年12月16日、内閣官房長官宇宙開発担当大臣文部科学大臣経済産業大臣)を踏まえ、LNG推進系に係る技術の完成に向けた必要な研究開発(高性能化・高信頼性化など)を推進する。

当面開発継続。

LNG推進系の研究開発について [JAXA]

今後は高圧燃焼化や高空燃焼試験などに取り組むらしい。あと型番がLE-8。

(3)固体ロケットシステム技術の維持・発展
固体ロケットシステム技術の維持・発展方策として、低コストかつ革新的な運用を可能とするイプシロンロケットの基本設計を実施し、開発仕様を設定するとともに、試作試験に着手する。

次期固体はやっぱりイプシロンでいくようですね。プロジェクトのページイプシロンになってました。ようやく開発本格化ですね。