金星探査機「あかつき」、約25万km離れた宇宙から地球の撮影に成功 [MYCOM]

詳しい記事が来ています。

あかつきはH-IIAロケット 17号機より分離後、午前10時00分に米国のDSN(Deep Space Network)であるゴールドストーン局に入感、その後テレメトリ受信を行い、太陽電池パドルの展開が正常に行われたことが確認された。

また同日、日本の内之浦宇宙空間観測所において標準姿勢制御モード(3軸姿勢制御モード)への移行を確認、同20時にクリティカル運用期間を終了し、現在は初期機能確認運用を進めている段階としている。

なお、当初打ち上げ13時間後頃に予定していた初期軌道修正については、DSN(ゴールドストーン局およびキャンベラ局)のレンジングによる軌道決定の結果、H-IIAロケットによる軌道投入精度が良好であったことから、不要であると判断され、予定よりも早く搭載機器の立ち上げを開始、中赤外線(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)の3台を立ち上げ、機器の状態確認のために地球の撮影に成功した。

撮影された地球の画像は、あかつきが地球との距離約25万km付近で撮影したもので、あかつきから見た地球の視直径は約3度、地球を夜の方向から見た形となっている。また、残りの機器である2μmカメラ(IR2)、雷・大気光カメラ(LAC)、超高安定発信器(USO)については、「USOは比較的早い段階での立ち上げが可能と見ているが、LACは高圧状態なので、それが収まるために1カ月程度、IR2は機体に残留しているガスが抜けきる必要がある関係上、やはりそれを待ってからの立ち上げとなる」(PLANET-Cプロジェクトマネージャの中村正人氏)としている。

ということで、打ち上げから初期機能確認まで非常に順調のようです。17号機グッジョブでしたねえ。今回撮影が行なわれた3つのセンサ以外はガス抜きなどを待つため多少待つ必要があるそうです。

一方のIKAROSは、DSNを使用しないため、日本の局で受信するまで不明であったが、可視時間である21日の17時頃よりチェックを開始、まず内之浦局で電波を確認、その後同日19時頃に臼田局にてテレメトリ受信に成功、太陽電池の発電と姿勢が正常であることを確認、通信の確立に成功したという。

また、次の日となる22日にはやはり日本からの可視時間においてミッション系を立ち上げ、「ここまではミッションの遂行に問題ないことが確認されている」(IKAROSデモンストレーションチーム長の森治氏)とのことで、6月上旬までに順次ソーラーセイル用の膜が展開される(ミニマムサクセス)予定となっており、その後、さらに膜に取り付けられたダストカウンタ、太陽電池など4つのオプションも順次稼動予定としている。

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」の実証実験への移行について [JAXA]

宇宙航空研究開発機構JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの初期動作チェックを終了しました。
今後数週間をかけて最初の実証実験であるソーラーセイルの展開、薄膜太陽電池による太陽光発電を確認する予定です。

05/25 03:33 : 姿勢制御運用 [IKAROS-Blog]

今日は打ち上げて以来初めての本格的な姿勢制御を行いました.
IKAROSが搭載している新タイプのスラスタ(「気液平衡スラスタ」と言います)を使い,スピンレート調整と,スピン軸方向の変更制御を実施しました.

スラスタの性能は,期待通り!
これにより,もともと5°程度だった太陽角を20°に移動させました.スピンレートも3rpmから2rpmへ落としています.これらはセイルを展開するために必要な姿勢にする作業の一環です.

IKAROSも良好な状態で、スラスタの性能もバッチリ。セイル展開を待つばかりのようです。