S-520-25号機 打上げ結果について [JAXA]

今朝方ついに打ち上げられ、無事成功したようです。

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は、最大高度300km程度に到達する約10分間に渡るロケットの弾道飛行を利用して、電離層中におけるエレクトロダイナミックテザー(EDT)の基礎実験と微小重力環境下におけるテザーを用いたロボットの姿勢制御を目的とした観測ロケットS-520-25号機を平成22年8月31日05時00分(日本標準時間)に、内之浦宇宙空間観測所から上下角82.5度で打ち上げました。
 ロケットは正常に飛翔し、発射後55秒に開頭し、58秒にプラズマ計測プローブ(FLP,SPP)を展開して観測を開始しました。導電テザーは予定通り120秒に伸展を開始し、この様子はKuテレメータを介して地上に伝送されました。テザーロボット(TSR)は297秒に子機(DAU)から分離し、310秒までTSRのアーム操作による姿勢制御を実施しました。プラズマ収集実験に関しては、高電圧制御が正常に行われなかったものの、導電テザーおよび導電ブームが正常に伸展した事、ホローカソード(HC)の高速点火機能が実証できたことにより、より効率的なプラズマ収集装置が開発できる見通しを得る事ができました。

進展したテザーの画像もあり。これはおよそ300mあります。

No.1470 :打ち上げ後記者会見 [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]

 ロケットは正常に飛翔し、発射後55秒に開頭し、58秒にプラズマ計測プローブ(FLP、SPP)を展開して観測を開始しました。導電テザーは予定通り 120秒に伸展を開始し、この様子はKuテレメータを介して地上に伝送されました。テザーロボット(TSR)は297秒に子機(DAU)から分離し、 310秒までTSRのアーム操作による姿勢制御を実施しました。プラズマ収集実験に関しては、高電圧制御が正常に行われなかったものの、導電テザーおよび導電ブームが正常に伸展した事、ホローカソード(HC)の高速点火機能が実証できたことにより、より効率的なプラズマ収集装置が開発できる見通しを得る事ができました。

・300メートルのテザーの伸展はどうなったか。
テザーの伸展は90秒の計画値だったが、120秒から伸展し200秒でブレーキがかかったので、恐らく80秒だった。

・発射棟(KSドーム)から外に出した理由は何か。
今回はテザーの電流と、地球の磁場が直角で交わるように設定した。南に打ち上げると磁力線と平行になってしまう。
発射棟内の設定可能範囲では対応できない。方位角で120度から145度(?)+くらい。そのため外に出したが、準備中に雨が降ったら中止になる。28日がまさにそれ。

・テープテザーに電流が流れたか不明となっているが、プラズマ計測はできたのか。
プラズマ計測プローブが別途設置されている。そちらは正常であった。

・高電圧が正常ならどんなデータがとれていたか
2〜3アンペアのプラズマを集めてベアテープテザーに流すことが計画されていた。
形状がはっきり決まっているもので、電離層中で大電流のプラズマ収集ができることを目指している。

どうやらプラズマ収集が上手くいかなかったそうですが、その他については正常に実施されたようです。ドームの外に出して打ち上げた理由は、磁場に対する角度とかの理由らしい。