国産ロケット「H2A」、成功率で欧州「アリアン5」抜く [日経]

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 「(いい意味でH2Aの)技術は枯れてきた」――。三菱重工の前村孝志・技監・技師長は打ち上げに成功した11日夜の記者会見でこう語った。製造から打ち上げまで作業ノウハウを着実に蓄積してきた自信がうかがえた。

 種子島宇宙センター(鹿児島県)では、11日午前11時過ぎから液体水素と液体酸素の燃料注入が始まったが、打ち上げまで電源系統のトラブルなどで作業が止まることは一度もなかった。予定時刻通り午後8時17分ちょうどに発射。ロケットの状況を伝えるアナウンスで繰り返されたフレーズは「H2Aの飛行は順調です」だった。

ああ、いいねこういうの。資料を見ても、打ち上げ準備に係る作業での不適合発生件数はどんどん減っていますし、かなり枯れてきたと思います。

 高まるべくして高まった成功率は94.4%。文科省JAXAがとりまとめたH2Aと競合する世界各国の基幹ロケットの成功率と比べると、商用衛星の受注で高い実績を誇る欧州のアリアン5の94.2%を数字上は抜き、米の「アトラス5」に次ぐ2番手につけた。

 打ち上げ機数が極端に少ないと必然的に成功率は高くなるため、ロケットの専門家の間では20機打ち上げた時の成功率が1つの評価指標となる。18機しか実績のないH2Aの94.4%はあくまで参考記録にとどまり、52機も打ち上げ実績のあるアリアンを完全に追い越したとは言い難い。それでも、20機打ち上げは2011年度中にも達成される見通し。国際的にみても高い「95%」という数値は“射程圏内”に入ったといえる。

ふむ… ただ、もし万一仮に19号機で失敗した場合は80%台に逆戻りなので、そういう意味では「失敗率は高くなる」と言えます。実際アリアン5の場合、初期20機の打ち上げでは部分失敗を含めると4回失敗しています。バグの洗い出しが出来ていない初期の方が失敗する確率は高いのです。その意味ではH-IIAは非常に良くやっていると言っていいと思います。ちなみにアリアン5はその後失敗を起こしていませんし、H-IIAももはや滅多なことでは失敗しないだろうと思いますね。数を上げるほど信頼性は高まるからです。
ただまあ商売としてやっていくためには衛星あたりの打ち上げコストとかインターフェースとか経済状況とか色々ありますし順風満帆と言えない部分もありますが、今は着々と実績を重ねていって欲しいですね。