「こうのとり」2号機の打上げに向けた準備作業は順調に進行中 [JAXA]

宇宙ステーション補給機こうのとり」2号機(HTV2)は、種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟(Second Spacecraft and Fairing Assembly Building: SFA2)にて、10月末に打上げ形態に電気的・機械的に結合(全機結合)された後、総合的な機能確認を目的とした全機点検を11月末まで行い、打上げに向けて機体に問題がないことを確認しました。

全機点検終了後、「こうのとり」2号機のタンクに推進薬を充填する作業を完了し、タンク圧の調整を行っています。タンク圧調整作業終了後には、バッテリの充電作業を行います。

「こうのとり」2号機のタンク圧調整作業の様子 [JAXA]

引き続き順調ですね。あと撮影機材がα550。同志よ。

プロジェクトコラム:H-IIBロケット 中辻 弘幸 / 担当:H-IIBプロジェクトチームファンクションマネージャ(推進系担当) [JAXA]

第2段エンジンはターボポンプ式のエンジンで、衛星の打ち上げに使用するときはターボポンプを高速で回転させ、燃料の圧力を上げて燃焼させることで約14トンの推力を発生させます。しかしアイドルモードではターボポンプを回転させずに、ロケットのタンクの圧力だけで燃焼させます。ターボポンプを回転させないのでアイドルモードとよんでいるわけです。当然推力は1/30程度に低くなってしまいますが、ロケットのタンクに残っている燃料を有効に使いきれるので、今回の制御落下に採用することになりました。

私とアイドルモードのつきあいは古く、H-IIロケット第2段への採用をめざして、ステージ燃焼試験を実施していた頃にも担当していました。雪が降りしきる田代試験場でアイドルモードを採用するかしないか、熱い議論を戦わせたものでした。結局H-IIロケットでは採用しませんでしたが、めぐりめぐって今回制御落下に使用することになったのです。
制御落下用にアイドルモードの性能を確認する必要がありましたが、推力がとても低いために角田試験設備の計測設備から変える必要があり、やっと計測ができたと思っても圧力が低すぎて液体水素が蒸発してガス水素になってしまったり、困難の連続でした。

ターボポンプを回さずタンク圧だけで噴かすんですね。というかH-IIの頃から検討していたのがついに実現するわけですか。