本日のイカロス君 2011.11.17

11/1723:24:44: 今日の IKAROS(11/17) - Daily Report - Nov 17, 2011 [IKAROS-blog]

イカロス君が心配していましたが,
情報量は少ないものの,今日も彼の声は
きちんと届いています.

低レートながら安定しているようですね。

Y2さんは逆スピン運用後,最もスピンレートを気にしている
人物の一人で,もはや『スピンレート奉行』
と呼んでも過言ではありません.
IKAROSのスピンレートのことを語らせると,
彼に並ぶものは世界広しと言えど,そうそういないでしょう.

スピンレートを甘く読んでしまった日には,ひっ捕らえられる勢いです.
今後は,お奉行様にお縄を頂戴しないよう,注意深くスピンレートを
読み取らなければと心に誓った運用でした.

うむ、今のIKAROSにとってスピンレートは最も気になるところですから頼もしい限りですねw

11/1702:47:24: 今日の IKAROS(11/14) - Daily Report - Nov 14, 2011 [IKAROS-blog]

3日前のブログがついに更新!

推進薬が残り少なくなっているので,いつどのように噴射するか判断が難しく
なっています.本来は,姿勢がどのように変化するかじっくり見極めたうえで
方針を決めたいのですが,スピンレートの絶対値が大きくなっている
(「逆スピンアップをしている」or「逆スピンレートが速くなっている」)
ので,決断が遅くなるほど噴射効率が悪くなるというジレンマが発生します.

そこで,今後やるべき(やりたい)ミッションを改めてメンバーで確認し,
今回のリオリはこれらのミッションの実現にとって有利であるということから
実施することを決定しました.その中にはもちろん,「長期運用を実施し,
ソーラーセイルの航行記録を伸ばす.」というミッションも入っています.

おおー、やはり長期運用を狙っているそうです! どうやって乗りこなすのか楽しみですね。

なお,最近は,リオリ中にビーコン等でタンク内の圧力をモニタしています.
これについて少し解説しましょう.
2011/4/8のブログでも紹介しましたようにIKAROSは推進系として
「気液平衡スラスタ」を採用しています.
これは推進薬を液体として貯蔵し,蒸気ガスとして噴射するタイプで,
蒸気ガス噴射後,すぐに液体の推進薬が気化するため,
タンク内は飽和蒸気圧と一致します.しかし,推進薬が残りわずかになると,
推進薬がすべて蒸気ガスとなり,噴射するたびに圧力(推力)が低下します.


これを利用し,タンク内の圧力データが飽和蒸気圧と一致するかどうかで
残推進薬量が一定値を下回ったかどうか確認できます.さらに,
一致しない場合は蒸気圧から残推進薬量を精度よく計算することができます.


残推進薬量を正確に知ることは運用上も非常に重要ですが,気液平衡スラスタ
の性能を知る上でも大事です.この推進系は新規開発品であり,最大の課題は
蒸気ガスと液体を無重力状態で分離し,蒸気ガスのみを噴射することです.
噴射履歴と残推進薬量を組み合わせることで,これまで本当に液体噴射を
していなかったか確認することができます.

ここまで動かした気液平衡スラスタは無いようなので、とても良いデータになりそうですね。