H2A、打ち上げ能力2倍に 宇宙機構が改良計画 [日経]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は9日、国産主力ロケット「H2A」の改良計画の詳細を発表した。2段目のエンジンを今より長い時間使い、約2倍の大きさの静止衛星を打ち上げられるようにする。通信衛星放送衛星は大型化が進んでおり、ロケットを大型衛星に対応させて商業面での競争力を高める。2013年度に改良H2Aの初打ち上げを目指す。

 静止衛星はまずロケットで一定の高度まで打ち上げ、衛星本体のエンジンを使って高度3万6000キロの静止軌道に入れる。鹿児島県の種子島から打ち上げるH2Aは、赤道付近から打ち上げる欧州のロケットなどに比べて静止軌道に入るためにより多くの燃料を衛星レベルで使う。このため燃料が増える分、打ち上げられる衛星本体の重さに制約があった。

 改良計画では、H2Aの2段目のエンジンを長く使って、衛星を静止軌道の近くまで届ける。衛星本体の燃料負担が減り、打ち上げられる衛星の重さが現在の2.2トンから4.6トンになる。燃料消費が減れば、衛星の寿命も3年程度伸ばせるとみている。

 ロケットから分離する装置も改良。火薬を使わないタイプに変更し、衛星にかかる衝撃を現在の約4分の1にする。

 改良に必要な開発費は約90億円。既に基本設計を終え、詳細な図面作製や機器の試作に入った。

何故今日になって揃って記事になったのかは謎ですが、これはこちらの記事と同じ内容ですね。打ち上げ時の重量は変わりませんが、ロケット2段目の仕事量を増やすことで衛星の負担を軽くし、ロングコースト静止トランスファ軌道静止軌道に投入する前の楕円軌道、現行のトランスファ軌道より近地点高め)への投入能力が現行H-IIAの約2倍に。