日本が誇る宇宙技術の名脇役(1):宇宙から燃えずに地球に帰ってこれるんです。そう、「i-Ball」ならね [MONOist]

落ちる時にも撮れるアプリケーションがあります。

 実はこのi-Ball、もともとはH-IIBロケットの第2段に搭載することを考え、同社からJAXAへ提案したものだったという。第2段もHTVを分離した後に、大気圏に再突入させて破棄される。得られるデータは、HTVと同じように役立つ。

 データは衛星通信で送信されるため、i-Ballの回収は不要だ。航空機や船舶を出すよりも安価に、こうしたデータを得ることができるため大きな期待が寄せられる。メーカーから提案して開発が決まることは「あまりないケース」(森崎氏)とのことだが、2010年8月にJAXAに話を持っていったとき、HTV関係者も同席していたため、まずHTVへの搭載が決定。HTVに合わせて設計を変更し、開発を進めてきた。

 開発スタートから打ち上げまで2年弱。新規開発のプロジェクトとしてはかなりの短期間であったため、「なるべく社内にあった技術を集めるようにした」(森崎氏)という。同社は「はやぶさ」の帰還カプセルや次世代型無人宇宙実験システム「USERS」のリエントリモジュール(REM)を開発した経験もあり、こうした技術の蓄積が生きた形だ。

へええ、IHI-Aから提案したんですね。このフットワークの軽さは良いなあ。あと記事ではとても詳細にi-Ballについて解説されているのでとても解りやすく読み応えありますよ。パラシュートで滑空中に画像を圧縮し、着水後に衛星回線でデータを送信するらしい。

 とはいえ、これはあくまでも例外中の例外だ。せっかく高度でユニークな技術を使っていても、実際には、あまり知られないまま、埋もれてしまう場合が多い。筆者も取材の中で、もっと話を聞きたいと興味を持つことは多いのだが、「ニュース」という枠内では、どうしても記事全体のバランスに配慮する必要がある。一部だけ詳細に取り上げることは難しく、泣く泣く削ったことも数知れない。

 だが、それを埋もれたままにしておくのは、あまりにももったいない! この不定期連載では、そういったものにスポットライトを当てていきたい。コンポーネントやシステム、場合によっては電子部品の1つでもいい。宇宙の「技術」をキーワードに、個人的に面白いと思ったものを紹介していく予定だ。

なんと素晴らしい… 次回も期待!