宇宙開発、一歩ずつ早足で [aサロン]

垣見さんは、戦闘機などの離陸に使われていたロケット型の補助推進装置「JATO」を分解したことがある。「分解は命がけ。誰もいなくなった深夜の工場で、二人だけで真っ二つに切った」。製品を分解して分析する「リバースエンジニアリング」だ。

富士精密から日産時代まで火薬専門家として固体ロケット推進薬の開発に携わった城田賢正さん(80)は、米国の観測ロケット「ワスプ」を分解して内部を調べた。

「ワスプ」は米軍の対空ロケット弾を転用したものだが、城田さんによると、糸川氏はどこからか入手してきたという。城田さんは「すごく精巧に加工されている」と息をのんだことを思い出す。

糸川研究室から富士精密に入社し、垣見さんの部下となった中村巌さん(79)は、ラムダの開発の際、高性能の風洞を使った実験データが必要になった。当時こうしたデータは米国など海外にしか存在せず、公開もされていなかったという。糸川氏に相談すると、「何かの書類から書き写したデータをどこかから入手してきた」という。

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