衛星で領海監視検討 JAXA、来年度打ち上げ [朝日]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)が、2013年度に打ち上げを予定している地球観測衛星(ALOS〈エイロス〉2)を使って、船舶を監視することを検討している。JAXAによる海洋監視は初めて。尖閣諸島竹島といった領有権をめぐる問題への対応を視野に入れており、来年度に改訂される新たな中期計画に盛り込む方針だ。

 ALOS2は高機能のレーダーを搭載し、撮影画像を地図作製や災害把握などに使うことを主な目的とした衛星。1〜3メートルの高分解能を持ち、船舶の識別も可能という。昼夜を通じ、曇天でも画像が得られる。レーダーが地上をとらえられる「視野」は幅2320キロと広く、昨年に運用を終えた地球観測衛星「だいち」の3倍近い。

 「だいち」では、アマゾンの森林伐採など陸域監視の実績を積んだ。海洋監視では、JAXAは画像データを海上保安庁に提供することなどを検討しているという。

なるほど、確かにSARによる観測で船舶などを検出する事はできますよね。ただしこれはあくまで低軌道を回る人工衛星なので、高解像度なスポットライトモード(分解能3x1m・観測範囲25x25km)や高分解能モード(分解能3m・観測幅50km)だと12時間に1回、広域観測モード(分解能100m・観測幅350km)だと3日に1回となります。高分解能だと姿勢変更でポインティングできますが広域観測だと当然視野は固定になっちゃうので同一地点の観測機会は軌道に縛られます。
先日の騒ぎを見ていると分かるように半日もあれば領海への出入りは分かっていても簡単にされちゃいますし、観測範囲やリアルタイム性を考えると帯に短し襷に長しな感じがしなくも無いような?
あとJAXAはこないだ法改正で安全保障関連もできるようになりましたが、JAXA的にはその範囲でもないという判断のようです。