宇宙に憧れ、時を経て最新小型衛星を開発(前)〜学校法人福岡工業大学 [NetIB-NEWS]

上でも取り上げているFITSAT-1を開発したところ。

8件の応募中、田中教授の企画が採択された後は、大学からの支援もあり、約1年という短期間で完成に至った。仲間に支えられて成し遂げたという思いは強い。「こういう開発は、多方面の知識を必要とします。1人で行なえばキャパシティに限界を感じますね。今回はとくに、知能機械工学科の河村良行教授に加わってもらい、心強かったです。私が苦手な衛星の振動や熱、構造などについては、経験豊富な河村教授にきちんとカバーしていただきました」(田中教授)。
 同大学では、定期的に研究室間の情報を共有し合えるような場を設けている。この場を通じて他研究室からの賛同を得ることができた。また、学生たちの存在も大きい。「うちの研究室の学生たちはコンピュータが専門ですが、アマチュア無線の免許を取得してもらいました。彼らにとっては想定外だったでしょうが、最近はこの方面にも面白みを感じているようです。他の研究室の学生たちにもいろいろと協力してもらいましたよ」(田中教授)。

 当時、宇宙開発の舞台で競争できたのはアメリカとソ連のみ。日本は今よりずっと立ち遅れていた。本当は宇宙のことをやりたいが、とても手が届きそうにないと思っていたところ、大学院に入った頃から日本でコンピュータが市販されるようになり、これなら自分の夢に肉薄できると感じ、以来、知能情報工学をテーマに研究に専念してきた。しかし、定年を間近に控えて、遣り残したことはなかっただろうか、と振り返ってみたとき、長年胸のうちに秘めていた青年期の夢がむくむくと頭をもたげてきた。「あ、まだ宇宙のことをやっていなかった」。そんなとき、JAXAの公募を知った。
 宇宙に憧れながらも、一度はその夢を手放すという経験がなければ、FITSAT-1誕生につながる夢と言う名の苗床も育まれていなかったかもしれない。

いや本当にユニークな衛星を作ってくださいました。是非宇宙でも「一花」咲かせて欲しいですね。