宇宙飛行士界に見る、30代から「伸びる人」 世界一厳しい選抜試験で、選ばれる人とは? [東洋経済]

そのとき、リーダーは別にいたが、油井はできること、できないことを切り分けて優先順位をつけ、『こうしたらどうですか?』とメンバーに工程案を提案した。その案に従ってチームが動き始めると、油井はさりげなく引き下がった。リーダーを立てて、フォロワの立場に戻ったのだ。

「一発芸を見せて」と面接官の毛利衛氏に突然言われた野口飛行士は、目の前にいる本人の物まねをして見せるという“大勝負”に出た。毛利氏が宇宙から帰還後、手を振りながらさっそうと歩く場面を再現すると、面接官らは大爆笑したという。

「緊張する面接で、とっさに目の前の面接官の物まねをして笑いをとる。その状況判断力と度胸に驚いた」と毛利氏は語っている。

基本ここまで残っている人たちは皆突出していると言っていいのでしょうけど、そこからさらにもう一捻りできるというのが凄いですね。あと野口さんですが、面接の場でネタを振ってきた毛利さん本人を目の前で逆にネタにしたとか心臓座ってるどころじゃないですよw

2009年に宇宙滞在から帰還後まもなく、若田飛行士は「次は船長を目指したい。そのための養成計画を考えて欲しい」と頼んできた。「もう次のフライトを考えているのか」と山口は驚きつつ、NASA宇宙飛行士室のグループ長やJAXA宇宙飛行士グループ長といったマネジメント業務を積極的に経験させた。そして船長に任命された後も、予定外の訓練を次々提案してくる。山口曰く、若田は「努力の天才」なのだ。

新しい訓練を自ら開拓していると言えば、野口聡一宇宙飛行士だ。
「日本で、“機長”としての航空機操縦訓練をやりたいと提案してきたんです。NASAの操縦訓練では日本人宇宙飛行士はどうしても機長席に座らせてもらえず、船長の指示に従う訓練しかできない。船長として飛行機を操縦できる訓練をしましょうと」(山口)。

若田さんだけでなく、野口さんもコマンダーを狙っている模様です。