H-IIB4号機/HTV「こうのとり」4号機打ち上げ関連

H-IIBロケット4号機による「こうのとり」打上げ カウントダウンレポート [MHI]

三菱重工のサイトでは作業状況のレポートが逐次アップされています。こちらによると19時30分からターミナルカウントダウン開始、推進剤充填開始。23時25分に全段推進剤充填完了した模様です。順調ですね。
自分はといえば、Twitterの宇宙クラスタ現地組のツイートを眺めながら現地気分に…ああああああああ現地行きてええええええええええ!! 夏休みの週末ということもあって各見学場所はかなりの人手のようです。このまま好天が維持されれば素晴らしい光景が見られるはずですよ。リフトオフ直後は暗闇を照らし出し、高空では太陽光に照らし出され神々しく輝くかもしれません。

恒例の朝日新聞社機もスタンバっているようです。これは期待!


最終判断GOが出たようです。いよいよですね。

X-34


中継も開始されました。見事な御本尊が鎮座しております。



左でメラメラ燃えているのは蒸発した分の液体水素を燃やしてる設備かと思われます。





いよいよ打ち上げ時刻が迫って参りました。

04:48

リフトオフ!






うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお



SRB-A分離。



フェアリング分離。なんと中継映像の地上カメラでも確認できます!

05:03

HTV「こうのとり」分離。軌道投入成功!



これでH-IIBは連続4回成功。打ち上げ成功おめでとうございます! 見事な打ち上げでした。現地で見たかったなあ… ちなみに大阪からも撮影にチャレンジしてみましたがちょっと明るすぎたため無理でしたw

ふうさんによるH2B4号機の打ち上げ写真、沖縄本島南部より。 [togetter]

これは凄いですよ! 打ち上げられた時刻はちょうど現地でも空が明らみ始めたタイミングだったので、現地より東側ではより明るく、逆に西側ではまだ暗かったわけです。そんなわけでまだ暗かった沖縄からはこのように上空で明るく輝くロケットとロケット雲がはっきりと捉えられたということで、これは幻想的ですねえ…。

真夏のロケットショーに過去最高5千人 H2B打ち上げ [朝日]

 地元の南種子町によると、指定の見学場所などに訪れた人は過去最高の5018人。種子島観光協会によると、3日に高速船や飛行機で種子島入りした観光客などは3千人に上った。

うーむ、やはり物凄い賑わいだったようですね。さらに恒例の空撮動画もアップされていますよ! 種子島が照らし出されています。視聴するには会員登録が必要ですが1日2つの記事までは無料で見られます。

ISSに日本専用冷蔵庫 「いつかアイスを入れる日も」 [朝日]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は今回、ツインバード工業(本社・新潟県燕市)などと新型冷凍・冷蔵庫「フロスト」(容積12リットル)を開発。打ち上げからISSにたどり着くまでの数日をしのぐ保冷ボックスも用意した。今回はマウスの精子を入れ、温度を記録しながら、正常に使えるかを試す。

 JAXAきぼう利用推進室の福田義也参与は「宇宙線による被曝(ひばく)や微小重力の影響を見たいサンプルは多く、実験の幅を広げることができる」とし、「実証試験がうまくいけば、ボックスのすき間などに宇宙飛行士たちのためのアイスを入れる日も来るかもしれない」と話した。

無重力状態での保冷効果などは空気の対流などの違いで実際試してみないとですね。

H2B、東海の技欠かせぬ 国産ネジの先駆け「メイラ」 [朝日]

要ログイン記事。

 メイラは、フェアリングをつなぎとめる数百本のネジを手がける。フェアリングを割るには、ネジを瞬時に切断しなければならない。すべて同じタイミングで切れないとフェアリングはうまく割れず、失敗につながる。衝撃や高熱に耐える性能を高めつつ、刻みを入れて切れやすくするという微妙なさじ加減が必要だ。加工には高精度の技術が求められる。

いわゆる分離ボルトですね。H-IIBで使用している5S-Hフェアリングでは大型化した分、2段目との間の結合部にかかる荷重が想定より増えてしまい開発に苦労したという話もありました。それはボルトの問題ではありませんでしたが、絶対外れず、しかし絶対分離するという相反した機能を果たすという大変さでは共通していますよね。

岩手の被災児童らロケットに感激 種子島の有志が招待 [朝日]

 大槌町では、津波などのため1281人が亡くなったり行方不明になったりした。種子島を訪れた6人のうち、4人はいまも仮設住宅暮らしで、中には家族を亡くした児童もいる。

 被災地の子どもを励まそうと、種子島の有志らでつくる実行委員会(高山千史委員長)が招いた。1日から6日まで滞在し、マリンレジャー体験とともに、ロケット打ち上げの見物はメーンイベントだ。

おっとこれは粋な計らい。というか今回のような素晴らしい打ち上げを見られて本当に良かったですね。

存在感高めるも…「こうのとり」見えぬ先行き 割高な費用、競争力低く [産経]

 大気圏再突入時に燃え尽きるこうのとりは、物資を回収して帰還する能力がない。このため宇宙航空研究開発機構JAXA)は将来の有人宇宙船への発展も視野に帰還型の開発を目指しているが、実現の見通しは立っていない。

 一方、H2Bは平成21年の初号機から4回連続の成功で信頼性を高めた。課題は約150億円と割高な打ち上げ費用で、商業衛星の打ち上げで先行する欧州やロシアの大型機と比べて競争力は著しく低い。民間移管でどこまでコストを削減し、こうのとり頼みから脱却できるかが問われる。

なんかパッと見「こうのとり」に競争力が無いみたいな見出しですが、以前書いたとおりこうのとり」のコスパはドラゴン宇宙船に引けを取りません。H-IIBは単体だと確かに現状140億円前後となっております。例えばアリアン5は単体ではH-IIBより搭載能力が高いですし、当然費用もより高いものとなっていますが、デュアルロンチで割り勘すると衛星1機あたり80億円となるわけで、H-IIA/Bをシングルロンチ前提にするとコスパで劣るのは当然ですね。ただし「じゃあこっちもデュアルにすればいいよね」とはなかなかいかないもので、やはりサービスとしての年期の差は大きいです。そもそも2機の衛星が丁度いい具合に揃わなければデュアルロンチできませんし。やはり当面は官需の衛星と組み合わせてデュアルロンチを狙っていくしかなさそう。


以下の記事にも良い写真が揃っていますのでお時間があれば。各社カメラマンの皆さん気合入っていますねーw