マーズ・グローバル・サーベイヤー、ミッション継続は困難 [AstroArts]

設計寿命を大幅に上回り10周年を迎えるNASAの火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」が持病であるソーラーパネル回転機構の不具合が悪化し通信途絶の模様。

NASAのチームは、探査機との直接の交信が途絶えた後も、原因究明と通信復活への努力を続けている。その1つが、11月に本格探査を始めたばかりの最新鋭探査機、マーズ・リコナサンス・オービターによる捜索だが、超高解像度カメラを含む3種の観測装置のいずれにもマーズ・グローバル・サーベイヤーの姿はない。次の手段として現在試みられているのが、火星上のオポチュニティーにマーズ・グローバル・サーベイヤーからの信号を受信させることだ。
NASAは完全に諦めきってはいないとしながらも、驚くほど長い間継続してきたミッションの終わりがすぐそこまで来ていると認めざるを得ないようだ。NASAの火星探査計画の主任科学者Michael Meyer氏は「マーズ・グローバル・サーベイヤーは、あらゆる点でわれわれの期待を大きく上回る探査機でした」と話す。しかし、探査機が使命を終えてもまだ続きがある。「豊富な観測結果が今後何年もかけて分析されるにつれ、さらなる発見がもたらされるでしょう。」

火星探査といえば、世界各国の火星探査機の成功率は約3割。 そんな中で10年もの長岐にわたり追加ミッションをこなしてきたマーズ・グローバル・サーベイヤーがいよいよ大往生を迎えようとしているようです。 マーズ・リコナサンス・オービターやオポチュニティーがそれを看取るというシチュエーションはなんだかこう、しみじみとしたものがあります。