「はやぶさ」の近況と「はやぶさ-2」に向けて [ISAS/JAXA]

おお、続報キタコレ。 過放電したと思われるバッテリーですが、試料格納容器を再突入カプセルに収納するために慎重に充電を行なっているそうです。 これは緊張しますね。 また、先の国際宇宙会議で「はやぶさ-2」構想の発表も行なったとのこと。 以前、予算獲得が厳しいとの話を聞いて財務省該当部署に嘆願メールを出しましたが、どんな具合なんでしょう…。
それもこれもNASAが後追いで小惑星サンプルリターン計画を打ち出したことがきっかけです。 で、そのNASAのプレスリリースが…↓

The Origins Spectral Interpretation, Resource Identification and Security (OSIRIS) mission would survey an asteroid and provide the first return of asteroid surface material samples to Earth.

「the first」←物凄く挑戦的ですw はやぶさの成果もまた盗られてしまうのでしょうか」というISASの中の人の妙に熱が入った言葉も頷けます。

アメリカの最近の動き

OSIRISミッションの検討開始(Phase A)

2011年打ち上げで、C型の小惑星1999RQ36へのサンプルリターンを行う構想です。2013年に小惑星到着で、地球帰還は2017年の予定です。 「はやぶさ2」とほぼ同じことを目指すミッションです。「はやぶさ2」が2007年に開始できないと、OSIRIS が最終選抜された時点では、追いつけません。

有人小惑星探査についての言及

地球軌道に接近するタイプの小惑星に人類を送る構想が発表されました。人間が小惑星まで行くことは、無人探査機より多くの科学探査が行えるだけでなく、有人で火星やそれ以遠に行くための準備ともなるものです。


アメリカとの関係

日本がNASAのOSIRISに参加することは、日本が持つ有利性や独自性を放棄することを意味しており、日本にとって益がないばかりか、惑星探査において大きな損失につながるものです。逆に、日本が「はやぶさ2」を実施し、そこにNASAを参加させれば、日本の先進性を維持しながら、惑星探査分野における国益を維持することができます。

宇宙科学分野では定評のある日本ですが、特に先鋭的な「はやぶさ」計画で深宇宙探査における一つの優位性を持ったことは大きな意味を持ちます。 連続的に探査計画を実施し主流を築くか、単発で終わらせてNASAにお株を奪われるか。 技術立国を標榜するなら後者は有り得ない選択です。
応援メールでも出しとこうかな。