通信衛星「きく8号」16日打ち上げ、最新鋭と伝統コラボ [FujiSankei Business i]

現在、船などで使われるインマルサット静止衛星電話の端末は、持ち運びできるタイプでもアタッシェケース大だが、きく8号の端末は携帯電話並み。通信アンテナは、金属の細かい網を張った六角形の傘を片面で14本組み合わせた日本独自の方式だ。実用化できれば国際的なビジネスになるため、NTTなど関係者の期待は大きい。

地上の天文台とリンクして高解像度を実現した電波天文衛星「はるか」の後継機にもこの形式のアンテナが搭載される予定。 6角形の各モジュール数の増減で大小に対応できるので柔軟な応用が見込めそうですね。

金沢織物技術で宇宙アンテナ…種子島宇宙センターから打ち上げ [読売]

宇宙航空研究開発機構がこの衛星の開発を始めたのは1997年。宇宙で2基のアンテナを傘が開くように広げる計画で、1基の大きさは縦19メートル、横17メートルとテニスコートほど。材料をアメリカなどから輸入することも検討したが、手続きに時間がかかるため、高い技術が知られていた金沢市の「能任七(のとしち)」に白羽の矢がたった。

同社は創業約40年。スポーツウエアやウエディングドレスの生地を作っており、通常はポリエステルやナイロンなどの素材を扱っている。しかし、機構から持ち込まれたのは「モリブデン」という金属の糸で、太さは0・03ミリ。従来の織り機では編めないため、能任信介社長(53)は本業の仕事を終えると、夜通し工場にこもって織り機の改良を重ねた。

金属はナイロンなどと違って伸びず、織る速度や力の入れ具合で糸はすぐに切れた。機構側は改めて海外からの輸入も検討したが、能任社長は「できないはずがない」と訴え、研究を続行。地元他社の技術者から助言を受けるなど試行錯誤の末、99年、ストッキングのように薄く目の細かいアンテナを編み上げた。今年10月、実物の3分の1ほどの大きさのアンテナを宇宙で広げる実験に成功した

能任さんが夜なべをしてアンテナ編んでくれた模様です。 しかし実際、物凄く忍耐強さが必要だったでしょうね。 針に糸が通らないだけで何かが磨り減るような感覚に陥る自分としては極細金属を織るなんて気が遠くなるような作業です。 是非成功させたいところですね。