H-IIA12号機・情報収集衛星レーダー2号機打ち上げ関連

情報収集衛星、15日打ち上げ 「4基体制」へ再挑戦 [朝日]

情報収集衛星は98年のテポドンショックを機に配備が具体化し、まず03年3月に2基が打ち上げられた。だが、同年11月のH2Aロケット6号機打ち上げ失敗で続く2基を同時に失った。このため再挑戦となった昨年9月には、3基目だけを打ち上げた。衛星の設計寿命は5年とされ、配備に時間がかかったことで、すでに1、2基目の寿命が迫っている。

同センターは「監視のために実証機を運用することは考えていない」とする。軌道上での性能を確認した上で09年には次の光学衛星を、11年にはレーダー衛星をそれぞれ打ち上げる方針だ。

なるほど、同時打ち上げされる実証機はやはり要素技術のテストが主眼なのでしょうか。

情報収集衛星15日打ち上げ 自前の「宇宙の目」整う [産経]

課題は高性能化だ。光学衛星の場合、識別できる地上の物体の大きさ(解像度)は1メートル。米商業衛星「イコノス」とほぼ同水準で、トラックと乗用車が見分けられる程度。解像度10数センチとされる米国の偵察衛星には遠く及ばない。

このため政府は光学1号機の後継として、解像度を民間最高の米商業衛星「クイックバード」(60センチ)並みに高めた光学3号機を21年度に打ち上げる。センサーの改良により“視力”は野球場の選手の守備位置が分かる程度までアップ。今回の打ち上げでは、この技術を確認するための実証衛星も同時に積み込む。

さらに23年度には、姿勢を素早く変更し、短時間に多くの場所を撮影できる光学4号機を投入。またレーダー衛星も、画質を向上させた3号機を同年度に打ち上げる。

まあ、今まで日本が打ち上げてきたのは地形を観測する衛星などが主で、構造物を見分けるためのものはなかなかありませんでした。 この辺はモロ軍事なのでやはり独力で精度を上げていくしかないのでしょうね。 ところでレーダー3号機は光学3号機の2年後ですか。 どういう事情なんでしょう。

平和利用の名目と、偵察衛星という実態のかい離をどう解消するのか。ハードの向上だけでなく、画像から読み取る情報の質をいかに高めていくのか−。本格運用を機に議論が活発化しそうだ。

情報を分析するノウハウの向上も不可欠ですし、それに伴って根本的な法的枠組みの見直しも不可避でしょう。

一方、H2Aは6号機の失敗以降、5回連続で成功し、立ち直りつつある。しかし前身のH2も含め、日本の主力機が6回連続で成功した例はない。政府の最重要ミッションで同じ失敗を繰り返せば、存在意義を問われかねない。まさに正念場の打ち上げだ。

この段落、随分と入れ込んでいるように見えますがw、確かに10号機のIGS光学2号機打ち上げの時もリベンジと言われましたけど、5機連続成功後のIGSデュアルロンチという点において今回こそまさに6号機のリベンジです。 しかし7号機から立て続けに行なってきた機体改良・能力向上は11号機打ち上げ成功に結実する形で着実に実績を積んできましたので、今やかなりの安心感があります。
しかしどれだけ長年にわたり実績を積んだロケットでも失敗するときは失敗するんですよねえ… それが宇宙開発における一定のリスクであります。