系外惑星の大気から初めて「水」の証拠 [AstroArts]

Barman氏は、恒星の方の成分、惑星大気に含まれる微粒子、さらに大気中のガスが熱や光から受ける影響などを考慮し、新たなモデルを構築した。これをHSTの観測結果と照らし合わせた結果、水蒸気を含むモデルは観測と一致し、含まないモデルは一致しなかった。それだけでなく、存在は確認されても観測量が理論値と合わなかった物質についても、うまく説明できるようだ。

ところで、HD 209458bについては、別の研究グループがNASAの赤外線天文衛星スピッツァーを使って光の特性を「直接」得ることに成功したばかりだ。それはトランジットの逆、すなわち惑星が恒星の後ろに隠れたときの光を、並んでいるときの光から引き算する方法である。こちらの観測結果では水蒸気が検出されなかったとして注目を集めていた。

これに対しBarman氏は論文中で「スピッツァーから得られたのはHD 209458bの『昼』側の大気が放つ光だけである」として、そうした条件では水が存在したとしても検出できないことを示唆した。Barman氏が使ったデータは、「昼」と「夜」の境目にある大気を通過した恒星の光だ。

理論上、水蒸気の存在は間違いない。「1つの系外惑星で、水蒸気が存在するという結果がでたのですから、ほかの系外惑星にも水蒸気が含まれると信じてよいのではないでしょうか」とBarman氏は語っている。

ガス惑星の成分としてだそうですが、素晴らしい成果ですね。