技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)「きく8号」の定常段階移行について [JAXA]

きく8号続報キター。 受信側の大型展開アンテナ部低雑音増幅器の一部でショートが発生しこの装置の電源が機能しない問題がありますが、これについては地上送信側で代替装置を経由させて実験を行なう模様。 これ以外の機器は全て正常で、定常運用に入ってからも代替装置を用いてのミッションなどと並行して引き続き問題部分を担当するNICTが対処に当たるそうです。

「きく8号受信系異常に関するWG」 中間報告書の公表 [総務省]

こちらで解析結果などがまとめられています。 SRB‐Aが4本になったH-IIA204型による打ち上げの振動が原因の可能性も?とか思ったりもしましたが、実測値は環境条件を満たしていたので特に直接的な要因にはならないみたいですね。 これは今後の打ち上げに影響が出なくてよかったところ。 ちなみに、スラスタを吹かして衛星をゆすってみるというようなことも検討しているみたいですがw、衛星が大物で急激な加速度は得られないことやパドルや大型アンテナによろしくないということで、やるとすればミッション末期だそうです。 また、電流に若干の変動が見られるため、状況が変わることを想定して「今後も異常箇所分離の作業を継続することが適当」とのこと。
まあミッション計画の見直しは仕方ありませんが、2015年度までに実用化する計画が持ち上がってますし、肝心の冗長系がまともに機能しないなんてところは改善するのは当然のこと、せっかくの試験衛星なので残る機器も可能な限りしゃぶり尽して欲しいですね。 幸い一番の目玉である大型展開アンテナは見事に開いたので、今後の計画にも順調に反映されていくことを期待しています。

次世代衛星通信、実験計画見直しへ・「きく8号」不具合影響 [日経]

大型受信アンテナの復旧作業は続けるが、衛星の小型アンテナでも受信できるよう、携帯端末に直径70センチメートルのアンテナを接続する試験を月内に実施する。地上の中継局を経由して衛星と通信する試験も、今年度中に実施する予定だ。

今月にも代替装置をテストする模様。