月周回衛星「かぐや」関連

月周回衛星「かぐや(SELENE)」の月周回軌道投入マヌーバ実施結果について− 月周回軌道への投入を確認 − [JAXA]

よおおっしゃー

宇宙航空研究開発機構JAXA)は、平成19年9月14日(日本時間、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げた月周回衛星「かぐや(SELENE)」の月周回軌道投入マヌーバ(LOI1)を10月4日6時20分に行い、軌道計算の結果、同衛星を以下の月周回軌道へ投入したことを確認しました。
なお、衛星の状態は正常であることを確認しています。

        投入軌道
遠月点高度	11,741km
近月点高度	101km
周期	   16時間42分

また、“セレーネ「月に願いを!」キャンペーン”に世界の412,627名の方々から寄せられたお名前やメッセージを、月にお届けしたことをご報告します。本キャンペーンにご賛同いただいた皆様には深く感謝するとともに、今後も「かぐや(SELENE)」のご支援をいただきますようお願いします。

成功おめでとうございます! 自分が打ち上げを見送った探査機があの月のすぐ傍を周っていると思うと、今まで当たり前に見えていた月がなんだかより身近になったような感慨深さがあります。 日本の探査機が月を回るのは「ひてん」以来約15年ぶりですが、今度はアポロでさえ成し得なかった精度で徹底的に月を調べ上げるべく送り込まれたわけで、昨今の月探査ラッシュの中で珍しく日本が「先陣」を切った形になりました。 今後の素晴らしい成果を期待しております。
今回まずは初期軌道に入ったということで、今後数週間かけて段階的に楕円軌道の遠月点高度を近月点高度まで下げてゆき、その過程で子衛星2機をそれぞれの軌道に投入し、また14もの観測機器の動作チェック・調整を行なわなければならないのでかなり忙しくなりますね。 これからも気が抜けませんけどひとまずGJ!
これで名前とメッセージが月に届けられたことになるわけですが、実は自分がどんなメッセージ書いたか思い出せない! いや、けっこう真面目なものを書いたと思うんですけどなんせ勢いまかせで… そんなわけで、家族やじいちゃんばあちゃんの名前を載せたはいいものの「どんなメッセージ書いた?」と聞かれても素で分かりませんスミマセン。 もし将来月面にカケラでも残ってたら誰か調べてください。

かぐや、月周回軌道投入に成功、記者会見の様子 [松浦晋也のL/D]

滝澤:月周回観測にはとにかく月を回る必要がある。重力天体の周回には、どうしてもクリティカルなマニューバーが必要になる。この実施タイミングは非常に限られており、失敗するとミッションにロスを生じることになる。かぐやの緩速実施に向けて大きく前進した。

これまでのイベントは順調で衛星も正常だったので、クリティカルなマニューバーではあったが自信があった。それでも、25分間続く噴射の間は非常に長く感じた。

NHK クリティカルということの内容を知りたい。

滝澤:タイミングが非常に限られている。あるタイミングで確実に実施しなくてはならない。このタイミングを逃すと予定していた月周回軌道に入れなくなる。

もしもマニューバーができなくなると、月の重力の影響を受けて月周回軌道に入れることが難しい軌道に入ってしまう。軌道精度はともかく周回軌道に入れることが重要だったが、結果として高精度の月周回軌道に入れることができた。

朝日新聞:25分間、噴射は継続したのか。月に対して減速しているが、これは姿勢を変えて噴射したのか。速度をどれぐらい落としたと表現できるか。

滝澤:姿勢を変えて25分間噴射し続けた。おおよその話をすると、月が地球に対して1.数kmで、かぐやが0.1kmぐらいで移動している。月にかぐやが近づいて月にひっぱられるので、噴射で月にへの接近を押さえて月周回軌道に投入する。

青木:重力場はどの程度の期間観測するのか。

佐々木:1年間の観測期間中、ずっとデータをとり続ける。2ヶ月程度で最初の結果が出て、その後の観測では精度を上げていく。2ヶ月という期間のは特に物理的な意味があるわけではなく、2ヶ月程度を単位にしてデータの整理を考えていくということである。

東京から

ニュートン:ハイビジョンカメラで地球の画像を公開したが、月の画像を早く公開してもらいたいと思う。観測開始前にハイビジョン画像公開する可能性はあるか。

滝澤:今月19日に高度100km軌道に入ってから、ハイビジョン撮影を行う。どういう画像を取るかは今後ともチームを検討していく。

青木:ハイビジョン以外のデータは年内に公開されるだろうか。

佐々木:定常軌道に入ってから観測機器をひとつひとつチェックしていく。中には高電圧を使っているものもあるのでかなり慎重に行う。画像関係センサーは早期にチェックアウトするので12月中旬の前にも画像は取得することになるだろう。画像関連データには小較正が不可欠。較正がうまくいけば、早期の公開が可能になるが、うまくいくとも限らないので、「いつ公開する」というのは現時点では確言できない。

マニューバは「高精度」に行われたらしい。 また、使用された推進剤も予定通りの量で、軌道変更は非常に順調にいっているようであります。
またファーストショット公開以降なんか妙にリクエストの多いハイビジョン映像ですがw、やはりデータが膨大なので機器チェックの合間を縫ってダウンロードできたらいいなーらしいです。 観測画像については、センサの校正が順調なら12月初旬にも出てくるかもしれないらしい。 地球観測衛星である「だいち」ですら軌道投入から3週間かかってますからねー。 センサの数が通常の3倍である「かぐや」はさぞ大変でしょう。 鮮明な月面画像が出てくるのを期待して待ってます!

マニューバー直後に「うまくいったな」という感触はあったわけだが、どんな軌道に入ったかがわからないと「月に願いを!」キャンペーンで集めた名前を「確かに月周回軌道に投入しましたよ」とは言えない。また、報道する側の事情としても、情報を2日に渡って小出しにするのではなく、1回にまとめたほうがいいだろうと判断した。

なるほどー、そこまで考えてのタイミングだったんですか。

佐々木:1年間の観測がうまくいき、推進剤に余裕があれば、高度50kmまで下げることも検討している。磁場関係の観測は精度が距離の3乗に反比例するので、高度が半分になれば8倍よいデータを取ることができる。

50kmてw そのためにもぜひ上手くいって欲しいものですね。