H-IIAで「はやぶさ2」打ち上げは可能? [日経BP]

松浦晋也氏の記事。 先日はやぶさスレに降臨しておられましたが、そこで氏が書かれていた内容が出ています。

JAXAは過去にも、1995年3月に打ち上げたH-IIロケット試験機3号機で、地球低軌道向けの宇宙実験衛星「SFU」と静止気象衛星「ひまわり5号」を同時に打ち上げたことがある。つまり2衛星を大きく異なる軌道に投入した実績を持っているわけだ。

H-IIの後継機であるH-IIAであっても、基本的に技術的な問題は存在しない。

そういやH-IIAでも、奇しくも同じく3号機で「こだま」=GTOとUESRS=LEOをデュアルロンチしてますね。 能力的には十分のようです。

JAXAはASTRO-Gの開発を開始したものの、打ち上げ予算は35億円しかつけなかった。これでは90億円以上の経費がかかるH-IIAでの打ち上げは無理である。重量910kgのASTRO-Gを35億円で打ち上げ可能なロケットは、ロシアの「ロコット」「ドニエプル」程度であり、実際ASTRO-G関係者はこれらロシア製ロケットの商業打ち上げを利用する検討を開始していた。

ところが今年度に入ってから、急にH-IIAを使用する方向に方針転換があった。予算措置などはまだだが、どうも政治方面から「国産のH-IIAがあるのに、なぜロシアのロケットを使用するのか」というクレームがついたようだ。

H-IIAは、ASTRO-G打ち上げについてはありあまる能力を持っている。キックモーターを付けた「はやぶさ2」を同時に打ち上げるのに十分だ(本記事の付録参考)。軌道傾斜角31度という軌道傾斜角も、惑星間軌道への投入には問題とならない。

2012年度という打ち上げ時期も、遅れ気味の「はやぶさ2」にぴったりである。同じ科学衛星ということもあり、プロジェクト間のインターフェース調整などでも円滑な意思疎通が期待できる。

なるほど、条件としてはかなり近いところにありますね。 もしMUSES-B(はるか)とMUSES-Cはやぶさ)の後継機がH-IIAで連れ立つことになるとしたら、何とも数奇な話であります。
ただ、キックモーターは分離の際にスピンアップする必要があるようですがH-IIAでは弱いスピンしか与えられないらしく、はやぶさ2を打ち上げるためにはいずれにしてもスピンテーブルか専用キックモーターを開発する必要が出てくるので、またそこで予算化云々しそうな感じです。 ただまあM-Vを廃止した以上その辺はいずれ何らかの形で開発する必要があるわけで、勘案のしどころですね。 海外のロケットだとそこんとこの事情はどんなもんなのでしょう。