反語が通じない [MORI LOG ACADEMY]

反語という表現法があるが、最近の若者に通じないことがあって困る。
反語とは、強調するために、意味を反対にして(通常は肯定と否定をひっくり返して)、多くは疑問形にした表現のこと。たとえば、「とても不味い!」という代わりに、「これが美味しいのか?」とか、「誰が美味しいと言うだろう」といったふうに言う。あるいは、単なる皮肉を反語という場合もある。たとえば、遅刻してきた人に、「早いね」と言ったりする。
これが通じないというのは、どういうことか。11/9の【国語】で、「ご遠慮下さい」が通じない話を書いたが、つまり、その言葉の意味どおりにしか受け取られない、ということである。
「僕の気持ちを誰がわかってくれるだろう」と主人公が独白すると、「まだ誰にも話していないのに、どうしてこんなことを考えるんだ?」と不思議に思う。あるいは、「こんなことで良いのだろうか?」と書かれていると、「いいえ、そんなことでは困ります」と真剣に意見を言う人がいたりする。皮肉も皮肉に受け取られない。さきほどの例でいうと、「早いね」と言われて、「そうか、これでもまだ早い方なんだ」と素直に解釈するのである。

ちなみに自分は「早いね」を皮肉ではなくネタとしてたまに使っています。 ネタとして通用する前提条件が実は自分自身であったりもするわけですが…w