固体ロケットの研究 世界一から世界一への挑戦 [ISAS/JAXA]

次期固体ロケットへの展望。 ISASニュースからかな? 想像図を見るとM-Vまでのランチャー式ではなく垂直打ち上げのようですね。

さて、次期固体ロケットの性能はいかに。図2は、軌道投入能力に最も感度の高い第3段(次期固体ロケットでは第2段)モータの質量比と、ロケットのペイロード比の推移を示しています。モータの質量比とは、モータの質量に対する推進薬の質量の比で、モータの効率を表します。ロケットのペイロード比とは、ロケット全体の質量に対する衛星の質量の割合で、ロケットの輸送効率を表します。どちらも大きい方が、性能が高くなります。ご覧の通り、次期固体ロケットは、M-Vをもしのぐ上段モータの卓越した質量比に加えて、世界最高レベルとうたわれたM-Vと同等の高いペイロード比も実現していることが分かるでしょう。

このように、上段ロケットのさらなる高性能化とロケット全体の最適ステージングによって、次期固体ロケットは高性能と低コストの両立を果たし、M-Vレベルの高性能を保持しながら大幅なコストダウンを達成しているのです。これこそロケット工学の醍醐味で、私たちもしびれるところです。なお、次期固体ロケットの次の段階に向けて、M-V以上の打上げ能力を得るべくSRB-Aの改良、すなわち、推力増大と推進薬増量も視野に入れて検討を行っていることを付け加えておきます。

打ち上げ設備を近代化・簡素化し、機体の構造質量比も向上。 また、第1段に流用されるSRB-Aの増強も視野に入れているそうですが、これはH-IIAにもフィードバックされるのでしょうか?