海自イージス艦と漁船衝突、親子が不明…千葉・野島崎沖 [読売]

3管には午前4時23分、あたごから「本船と漁船の清徳丸が衝突し、清徳丸が二つに割れて浮いている。人員等は見当たらない」と通報があった。あたごの艦首が清徳丸の船腹に横から衝突したとみられ、読売新聞の取材用ヘリからは、あたごの艦首右側に、衝突した時にできたとみられる傷跡が喫水線付近に確認できた。3管などでは、割れた船体が沈まないよう「エアリフター」と呼ばれる機器を取り付け、特殊救難隊員らが船中を捜索したが、船橋部分は切断されて水没し、船体からは2人は見つかっていないという。

船体が割れて海上に浮かぶ「清徳丸」の船首部分(読売ヘリから)

事故当時の現場は北北東の風約7メートルで、波の高さは約0・5メートル。視界は良好だった。新勝浦市漁協川津支所によると、清徳丸は19日午前2時ごろ、僚船の「金平丸」など7隻とともにマグロのはえ縄漁のため勝浦市の川津港を出港。伊豆大島沖でエサとなるサバを釣って漁場の八丈島沖に向かう計画で、同日午後9〜10時に帰港を予定していた。事故の一報を受けた漁協川津支所が、金平丸に連絡を取ったところ、「護衛艦を見た」と話していたという。

これは重大な事故ですね。 事故の状況などは調査待ちですが、おそらくイージス艦が漁船のどてっ腹を切っ先で真っ二つにしたのは間違いないわけで、前方確認不足も疑われそうです。 残念なことに乗組員の2人はまだ見つかっていないようです。

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第3管区海上保安本部の調べなどによると、あたごの右舷艦首付近の傷が喫水上で広がっていた。清徳丸は繊維強化プラスチック(FRP)製。損傷状況からあたごは、清徳丸と直角に近い角度で激しく衝突したとみられている。
石破防衛相の説明では、あたごが最初に他船の存在に気付いたのは午前4時5分。進路を右側から1隻が横切った後、見張り要員が清徳丸とみられる緑色の灯火を視認。同6分に漁船と確認して全力で後進をかけたが間に合わず、その1分後に衝突したという。
海上衝突予防法は右方向に他船を認めた側が避ける原則を定めており、あたご側に回避義務が生じていた可能性が明らかになった。
あたごは同日午後5時すぎ、横須賀港に入港。海保の捜査員約35人が艦内の捜索に着手した。航海日誌やレーダーの記録などを押収し、事故前後の航跡を確認するほか、乗員らの聴取を通じ夜間の見張り態勢なども調べる。

とりあえず判っていることとしては、イージス艦側が直前に漁船を視認して全速後進をかけたという事ですね。

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当時、あたごは当直体制で夜間航行をしており、艦橋に10人程度の乗組員が目視などで洋上を監視。さらに、前方の船舶を映す水上レーダーでチェックしていた。海自幹部によると、300〜400メートルより近くなるとレーダーは役に立たず、乗組員の目視に頼ることになる。目視が不十分だった可能性がある。

どうやら通常航行用のレーダーは民間用と大差無いようです。 海自と海保が捜索に当たっていますが、未だ乗組員は発見できていないらしい。