ロシア版スペースシャトル「ブラン」とは何か? 驚くべき旧ソ連のロケット技術の頂点 [Technobahn]

アメリカのスペースシャトルは現在では普通となったが、開発当初は世界最先端の2段燃焼方式による液体燃料エンジンが採用され、燃料を外部燃料タンクから供給してスペースシャトルの本体のエンジンを燃焼させるという複雑なメカニズムを採用。対して、「ブラン」の場合には本体には基本的に推進用エンジンは搭載せずに、巨大なエネルギアブースターの推力を使って大気圏を離脱するという方式を採用している。

更に異なるのが大気圏再突入後の着陸方法となる。アメリカのスペースシャトルは着陸用のエンジンは搭載しておらず、着陸時は滑空飛行しかできないのに対して、「ブラン」には2機のジェットエンジンが装備されており、着陸時はかなりの自由度で着陸を制御することが可能(そのため、地上からの遠隔操作で自動着陸を行うという離れ業をやってのけることができた)。

これはもうアメリカのスペースシャトルとは全く別ものと考えても良いだろう。ここまで基本設計が異なるのに外見があれ程までに酷似していたというのが不思議な位だ。

格納庫の崩落に巻き込まれて潰れてしまったブランの写真が切ねえ…
エネルギア・ブランの場合、オービターであるブラン無しのエネルギア単独で打ち上げが可能である点が大きいですよね。 パワーも凄まじいですし。 ただ、ジェットエンジンが付いてるのは滑空飛行試験用の機体だけで、ブランには付いてませんね。

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そしてソユーズからブランまで数々の打ち上げを担ってきたバイコヌールも閉鎖へ。

バイコヌール宇宙基地はカザフスタン共和国内にあるため、ロシアは基地利用料として年間、1億1500万ドル(約115億円)の費用を支払っていることなどもできるだけ早期にバイコヌール宇宙基地を閉鎖したい要因の一つとなっている模様だ。

ロシアの新宇宙基地がボストチヌイに決まった場合、ボストチヌイは年間20回以上の打ち上げを行う世界でも最も忙しい宇宙基地となることとなる。