「悪魔の命令」心神喪失で1審無罪の5人殺傷、2審も無罪 [産経]

男は捜査段階と1審公判段階にそれぞれ精神鑑定を受け、両鑑定とも統合失調症に罹患(りかん)し、幻聴による「悪魔の声」に命令された犯行とした。

しかし、幻聴が犯行に及ぼした影響の程度をめぐる認定に違いがあり、捜査段階の鑑定は限定的な責任能力を認める心神耗弱、公判段階の鑑定は責任能力がない心神喪失とし、昨年2月の1審判決は公判段階の鑑定を採用して無罪を言い渡していた。

控訴審で検察側は、男が「お母さんと妹を殺す」という幻聴の命令を拒否しており、幻聴に完全に支配された状態ではなかったと主張した。しかし古川裁判長は、家族への殺害命令について「1回だけなされたもので、拒絶しようと耐えている間に『5人殺せ』という次の命令に変わった。決して執拗(しつよう)なものではなかった」と指摘。男が犯行後、幻聴に従って車内で全裸になり、自殺を試みたことなどから「幻聴の圧倒的な影響下にあった」と認定、検察側の主張を退けた。

男は16年11月18日朝、茨木市で車を暴走させ、自転車に乗っていたいずれも会社員の村田忠治郎さん=当時(61)=と米林和夫さん=同(56)=を相次いではねて殺害、自転車の男女3人に重傷を負わせたとして起訴された。

茨木市の車で5人殺傷、2審も無罪 「心神喪失」認定 [朝日]

高裁判決は、被告は事件前、統合失調症の影響で幻覚や妄想の症状が急速に悪化した一方、普段は粗暴な行動がみられなかったと指摘。「幻聴の『命令』以外に大量殺人を企てる動機があったとは考えがたい」と述べ、刑事責任は問えないと判断した。

捜査段階の精神鑑定は「心神耗弱」で限定責任能力があるとし、一審段階の鑑定は「心神喪失」で責任能力はないとしていた。被告は昨年2月の一審判決後、措置入院しているという。

隣町であります。 車で5人を轢き2人を殺害した事件ですが、強力な幻聴の支配下にあり刑事責任能力は無いとみなし無罪だそうです。 この精神鑑定を前提にすると刑法の話としては確かにそうなるんだろうし病気を罰するわけにもいかないでしょうが、こういうのは遺族にとってひたすらやり場のないものでしょうね。 「悪魔に殺された」なんて言われて納得できるわけがありませんから。 まあ措置入院は当然でしょうし、これだけの事件を起こした以上厳しく処置してもらいたい物です。 個人的な感覚としてはそれだけでは納得できないところですが。


あとコレと一緒に書くのもアレな話ですが、覚醒剤中毒=心神喪失で強盗致傷が無罪となったケースが以前ありましたね(覚醒剤使用などは有罪でしたが)。 あれは絶対におかしい。 ぐでんぐでんのアル中が飲酒運転事故起こしても無罪になる勢い。 ヤク中は明らかに自らの過失であって、それによって減刑されるというのはかなり不条理です。 違法行為である薬物使用と今回のような精神疾患が同列に扱われるというような被害者不在な法は改められるべきだろと思いますね。