陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の緊急観測結果について(5) [JAXA]

図2は宮城県栗原市の荒砥沢ダム北側の土砂崩れをダム北側から眺めた様子です。画像手前側の幅は約1.5kmですが、土砂崩れの規模がいかに大きいかがわかります。また、ダム北側の沢でも斜面が大きく崩れており、それにより川の水が堰き止められて溜まっていることがわかります。震央からこの付近までは約15kmです。

図3は荒砥沢ダム付近の災害前後の画像です。同じ地域を約6km四方で切り出しています。図2の鳥瞰図とほぼ同じ地域ですが、鳥瞰図の範囲には含まれなかったダム北西の冷沢でも広範囲に崩れているところがわかります。

図4は一迫川上流地域付近の災害前後の画像です。同じ地域を約6km四方で切り出しています。いたるところで土砂による堰止湖が形成されているのがわかります。

図5は東栗駒山東斜面の災害前後の画像です。同じ地域を約6km四方で切り出しています。東斜面にあるドゾウ沢の土砂崩れや、県道42号線が土砂で覆われている様子がわかります。

図6は真湯温泉付近の災害前後の画像です。同じ地域を約6km四方で切り出しています。土砂により鬼越沢川が堰き止められ川幅が広がっている様子がわかります。

図7は磐井川流域の災害前後の画像です。同じ地域を約6km四方で切り出しています。いたるところで土砂による堰止湖が形成されているのがわかります。

図8は宮城県栗原市立築館中学校の校庭を観測した画像です。生徒たちが支援活動で上空を飛ぶヘリコプターに向けて感謝の気持ちを伝えるために校庭に描いた、「ありがとう」の文字を確認することができました。

大規模な地滑りの発生した荒砥沢ダム付近を2.5m分解能で立体化した鮮明な画像があります。 また直接災害とは関係有りませんが、ヘリに向けて書かれた地上文字も写っていたそうです。 梅雨時という事もあってなかなか可視での観測は難しかったのでしょうが、半月以上が経った今でもまだせき止め湖がはっきり見えていますね。