小型ソーラー電力セイル実証機「Ikaros」 [JAXA]

月・惑星探査プログラムグループのサイトにソーラー電力セイル実証機のページが出来てました。 「Ikaros」だそうです。

ソーラー電力セイル計画の一環として、小型ソーラー電力セイル実証機Ikaros(Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun)を検討しています。

Ikarosの目的>

Ikarosは、主に以下の項目についての技術実証を行う予定です。
?大型膜面の展開・展張
→大型膜面の開発、展開機構の開発、展開制御の確立
?電力セイルからの集電
太陽電池セルの搭載
?光子セイルによる加速実証
→加速性能の推定
?光子セイルによる航行技術の獲得
→操舵デバイスの搭載、方向制御の確立

<ソーラー電力セイル計画>

ソーラーセイル電力セイル計画では、直径50mの超薄膜の太陽帆を軌道上で展開する技術を用いて、光子および高性能イオンエンジンを併用した推進機関による軌道操作と、太陽光エネルギーによる動力の確保などの工学実験を行います。
⇒ 低温動作可能な2液推進機関や燃料電池を利用した統合型推進・電力システム、超高比推力イオンエンジンなど、世界初の試みが多数実施されます。

また、今まで人類の到達したことのない、木星極域および太陽=木星ラグランジュ点(L4)に存在する小惑星帯のフライバイ観測を行うことで、惑星科学や宇宙物理学の大きな進展に寄与すると期待されています。

2004年には、実用ソーラーセイル材料であるポリイミドの宇宙空間での遠心力展開に世界で初めて成功しました。この実験結果をもとに、直径50mの薄膜を確実に展開するメカニズムの研究開発等を行っています。

ソーラーセイル推進はまだどこも実用化していませんが、ネックになるのはセイルの展開の信頼性と、そのセイルの展開具合(残った折り目とか)によって得られる動力にどの程度の幅が生じるかといった点ですね。 NASAも小型のソーラーセイル実験機を打ち上げるそうですが、この「Ikaros」はさらに太陽電池を膜面に展開し電力を得てイオンエンジンによる推進も行うハイブリッド推進で、新技術がてんこ盛りですね。