ナイジェリアの通信衛星が「電池切れ」 [ロイター]

同国の科学技術相によると、アブジャと中国にある地上局の技術者は、衛星の太陽電池が充電されておらず、このまま修繕せずに放置すると、ほかの衛星に衝突する恐れがあると指摘している。

同相は記者団に対し「(解決のための)選択肢を検討し、われわれが決定した最良の方法は、駐車するように衛星をその場に止めておくことだ」と説明。「衛星を止めておかず、すべてのパワーを使い切ってしまうと、移動させるためのエネルギーさえもなくなる。(放置すれば)危険な状態となり、回転し続けることで、軌道上でほかの衛星にぶつかることになる」と述べた。

同衛星には保険がかけられており、修繕できなければ新しいものに取り換えるとしている。

中国の宇宙ビジネスに打撃、中国製商用通信衛星が軌道投入1年弱で機能停止 [Technobahn]

「NigComSat-1」はナイジェリア政府の宇宙機関(National Space Research and Development Agency)の注文に応じて、中国長城工業総公司が中国国産の最新型衛星バス「DFH-4」をベースにして開発を行い、打ち上げた移動体向け通信衛星。国際衛星市場で中国が初めて受注に成功した商用衛星ともなる。衛星本体はグリニッジ標準時で2007年5月13日に中国の長征3B型ロケットによって打ち上げが実施され当初予定されていた東経42.5度の静止軌道上への投入に成功していた。

中国長城工業総公司では「NigComSat-1」が運用停止状態に陥った原因として「太陽風の影響で電気系統に障害が発生し、それが衛星全体の機能障害につながった」とするコメントを示しているが、太陽活動はこのところ11年周期の太陽活動周期の沈静期が続いており、影響を及ぼしたのは太陽風ではなく、太陽起源以外の宇宙線ではないかとする見方もでている。

障害の程度に関しては明らかになっていないが、地上管制からのリカバリーは困難で、事実上の「完全喪失(Tolal Loss)」となったものと見られている。

「NigComSat-1」の当初の設計寿命は15年を見込んでいた。

うむ、なんだかよく解りませんがとりあえず電源系が逝ってしまったようです。 設計寿命15年が1.5年でロストですか。 初の国際商業受注でこれはなかなか痛い気がします。 静止衛星ですから普通に寿命が尽きた際はより高度を上げて静止軌道の外側に廃棄される事になるのですが、このままの状態でロストすると低軌道の衛星(大気の影響でいずれ落下する)と異なり軌道をずらしながら延々漂う事になります。

中国国産の最新型衛星バス「DFH-4」を搭載した衛星に関しては2002年に打ち上げられたデジタル放送用通信衛星「Sinosat 2 (Xinnuo 2)」も電源系統(ソーラーパネル)に発生した障害により、軌道投入直後に完全喪失宣言が出されていた。

衛星本体の開発および打ち上げに関わる契約費用は3億1100万ドル(約311億円)となっていた。これらの衛星開発費用の全ては中国政府による借款によってまかなわれたものと見られている。

ああ、そういえば確かに同じ衛星バスですね。 でもSinosat2のロストって2006年じゃなかったですか? どれが本当なのか不安になってきますねTechnobahnはw まあ仮に同じバスだとしたらちょっと難儀な気がします。 ちなみに日本も昔「みどり」(1996年打ち上げ)・「みどりII」(2002年打ち上げ)を共に電源系のトラブルで喪失したという事がありましたので、あまり他人事のように笑ってはいられないんですけどね。 他山の石となすべき話に思えます。