不法投棄「宇宙の目」で監視 県、4月から衛星画像活用  山間部など前兆見逃さず [読売]

トロールなどでは発見しにくい山間部に不法投棄された産業廃棄物を見つけ出そうと、県は4月から観測衛星の画像を利用した監視を始めることを決めた。山肌を掘り起こすなど不審な動きをいち早く見つけ、監視員を現場に派遣。〈宇宙の目〉を加えることで、監視効率を上げたい考えで、県は「人海戦術には限界があるので、人工衛星の画像を効果的に利用したい」としている。

活用するのは、宇宙航空研究開発機構JAXA)の世界最大級の地球観測衛星「だいち」が撮影したカラー画像データ。2・5メートルの大きさまで判別できるといい、県内全域をカバー。JAXAから年4回に分けて計40枚(約100万円)を購入し、2011年度まで試験的に運用。不法投棄現場の改善状況など、時系列の変化も調べる。

監視は、緊急雇用対策で採用する17人を活用する。県庁や県民局に配置し、ごみの山や樹木が伐採された跡、不審なブルーシートなどの“前兆”を画像で見つけ次第、予備調査を開始。実際に不法投棄が確認できたら、監視員が業者に撤去指導などをする。新年度当初予算案では4700万円を計上した。

県内では、木くずやコンクリートなどの建築廃材が多く、07年度の不法投棄量は4730トン。半分以上が原状回復されておらず、放置されたまま。昨年には、南あわじ市の山林で不法投棄された数千基の墓石が見つかる事件もあり、規模が大きくなる前に、いかに早く発見するかが課題という。

県環境整備課の担当者は「怪しいところに『選択と集中』で力を注ぎ、抑止したい」と話している。

「だいち」を使った不法投棄の監視は、岩手県滋賀県で試験的に導入しているほか、環境省が09年度からモデル事業として複数の都道府県と運用を始める。

岩手・滋賀県に続いて兵庫県も「だいち」の観測画像による不法投棄監視を導入するそうです。 広大な山地をざくっとカバー出来るのが良いですね。 2011年度といえば「だいち」の目標寿命ですけど、この手法が有効なら途切れさせないためにも後継機は早いとこ上げた方が良いと思うんですが、今検討されているALOS2はSAR衛星ですよね。 光学衛星はなかなか話に上がってきませんがどんなもんでしょうか。