10年振りの宇宙飛行士選抜はパイロット2名 独自有人飛行への布石か [日経BP]

有人に目の無い松浦さんが俊敏な反応w

また、有人宇宙活動について、我が国は、今後10年程度を見通して独自の計画を持たないが、今世紀中には、人々が本格的に宇宙に活動領域を拡げることも期待されることから、国際宇宙ステーション計画など国際協力を通じて、その活動に係る技術の蓄積を着実に推進する。なお、将来の有人宇宙活動のあり方については、技術的な側面だけではなく、広く国民の意見を踏まえた検討を行うことが重要である。(強調部分は松浦による)

官庁の作文は基本的に「いかに玉虫色の文面にしておいて、将来における選択肢を確保するか」に腐心するものである。その中で、はっきりと「やらない」と断言したこの文章は、極めて異例のものだった。

私は当時、文書作成に係わった官僚の一人が、「日本は極端な財政難であり、今後は少子高齢化が進む。莫大な予算を費やす独自の有人宇宙活動などとんでもない」と語ったのを聞いている。つまり、この文書は「余計なことを考えずに既存のISS計画だけやっていろ」という霞が関の意思表示だった。

「今後10年程度を見通して独自の計画を持たない」という文言は当時幾分盛り上がっていた独自の有人宇宙活動を検討する気運へ、大変効果的に水を差した。この文章では「独自計画を持たない」だけで「検討をしない」とは書いていないのだが、“お上”が「ダメ」と明言したことにより、結果として日本独自の有人宇宙輸送システムの検討すらタブーとするような雰囲気が醸成され、JAXA内や関連メーカーから、将来構想が発表されることすらなくなってしまった。

だが、思考停止もそろそろ終わらさねばならない時期に来ている。2012年度にはこの文書の縛りも解ける。「解けたから、さあ独自の有人宇宙活動を考えましょう」では遅い。事前に十分な準備をして、2012年度にはすぐに動き出せるようにしておかなくてはならない。有人宇宙システム開発に必要な予算をどうするかは大問題だが、たとえ予算を獲得できたとしても、予算を効果的に使うには有能な人材が多数必要になる。人材は一朝一夕に育成することはできない。
宇宙基本法に基づいて、政治家が「日本独自の有人宇宙システムを開発せよ」と意志決定したとしても、一朝一夕に、独自の有人計画を開始することができるわけではない。何事も長期にわたる下準備が必要なのである。

うむ、下準備は大事です。 HTVを発展させるにしても構想だけはありますがまだ初号機も飛んでいませんし、実績を積む事が当面の課題です。 同時に生命維持や安全性確保などの基礎研究も進め、2012〜15年あたりまでにはある程度まとまっているのが理想ですね。 といっても予算には限りがあるのでそう上手くいかないと思いますが。 あと宇宙服どうするんでしょうね。 独自に開発するという話が出てますがどこまで固まってきてるんでしょう。