北朝鮮、ミサイルきょうにも発射…すでに日本海に観測船 [読売]

国際海事機関(IMO)などに通告された試験通信衛星光明星(クァンミョンソン)2号」の打ち上げ期間は4〜8日の午前11時から午後4時まで。

防衛省などによると、北朝鮮の観測船は、北朝鮮が危険区域と設定した秋田県沖の日本海で確認された。朝鮮半島に近い海域を中心に数日前から航行しているという。2006年7月の長距離弾道ミサイルテポドン2」の初の発射実験の際も、数隻の観測船が日本海で確認されている。実験ではミサイルの先端部分にミサイルの角度、方向、速度などの情報を発信するテレメトリーという装置が搭載されており、観測船はこの情報の受信や、落下物の回収、日米のイージス艦の展開状況の偵察などを行う目的だと見られる。また、北朝鮮のミグ23戦闘機数機が舞水端里(ムスダンリ)の発射基地周辺で警戒飛行をしていることも確認されている。

どうやら4日にも来そうな状況。 予告では11時〜16時の間とされているようです。

近づく「テポドン2」打ち上げ [日経BP]

今回の打ち上げは2つの理由から衛星打ち上げであると推定できる。一つは、1998年同様に真東への打ち上げを行うとしていること。衛星打ち上げの場合、真東に打ち上げることで、地球の自転速度を利用してより少ないエネルギーで打ち上げを行うことが可能になる。一方大陸間弾道ミサイルの実験ならば、真東に打つ必然性はない。

もう一つは、衛星打ち上げ用ロケット技術も、ミサイル技術も基本は同一であるということだ。同じ技術を試験するならば、衛星打ち上げを行ったほうが国際的な摩擦を引き起こしにくいし、国威発揚にもなる。

今回の問題の本質は、「衛星打ち上げか、ミサイル実験か」にはない。衛星打ち上げの技術は即ミサイル技術でもある。2006年に核実験を行い、自らを核保有国として扱うよう要求している国が、ミサイル技術を持とうとしているということに問題がある。

たとえ衛星打ち上げであったとして、日本への潜在的危険性が存在する

Q:「衛星打ち上げ」ならば、それは日本としては容認できるのか。

A:容認は出来ない。

打ち上げの軌跡は秋田県から岩手県にかけての日本上空を通過している。これは打ち上げの途中、「この段階でエンジンが停止する、爆発するなどのトラブルが発生すると、ロケットないしロケットの破片が日本の領土に落下する」時間帯が存在することを意味する。通常、世界各国の打ち上げでは、このような打ち上げ軌跡を設定することはない。

国際常識的には、打ち上げの途中でどんなトラブルが発生したとしても、他国の領海・領土にロケットの破片が落下するような打ち上げ軌跡を採用するべきではない。たとえ衛星打ち上げであろうと、可能性は低いものの日本領海・領土に被害が及ぶ危険性が存在する。

しかも北朝鮮は、この事実に対して一切の説明も、信頼醸成措置もとっていない。

もしも打ち上げが成功すれば、今回のことが前例となり、北朝鮮が日常的に日本上空を通過する打ち上げを実施するようになる可能性も考え得る。

日本としては、北朝鮮が打ち上げを思いとどまるよう可能な限りの外交努力を行うべき局面である。

可能性としては、銀河2号が日本を飛び越え、迎撃を行わずに見送るというケースが一番ありうる。

むしろ迎撃を実施した場合には、「命中できた」「命中しなかった」という結果が、今後の国際情勢に与える影響が大きいように思われる。「命中した」となれば、ミサイル防衛の有効性が実地で初めて確認されたことになるし、「命中しなかった」となれば、ミサイル防衛の有効性に疑問符が付くことになる。

日本政府が取ったPAC3の配備という対応は、北朝鮮に対して日本の意志を形で示すデモンストレーションというべきものだろう。

1998年のテポドン1号の打ち上げは方位角86度だった。つまり真東から4度北にずらした方向へと打ち上げて、津軽海峡上空を通したわけだ。それに対して今回の秋田-岩手上空というコースは方位角ほぼ90度の真東への打ち上げとなる。

確かに衛星打ち上げのためには、真東への打ち上げが最適となるが、4度程度の角度の相違では、打ち上げ能力に対してさほど大きな影響を及ぼさない。いったいなぜ、今回は真東を狙ってきたのだろうか。

日本に落下する可能性があるのは2段目のトラブルが起きた場合でしょう。 それにしても確かにわざわざ津軽海峡でなく秋田・岩手上空を通るような飛行コースを取っているのかというのは謎ですね。 まあいずれにしても一方的に他国の上空を飛ばす行為は論外ですし、危険性に対処するのも当然でしょう。