北朝鮮テポドン関連

「テポドン2」で分かったこと [日経BP]

(1)北朝鮮は、衛星開発にほとんど力を入れていない。

 北朝鮮は今回の衛星「光明星2号」を通信実験衛星だとしていた。しかし、公式発表を見る限り、その機能は1998年に「テポドン」で打ち上げたとしている試験衛星「光明星1号」と同じである。単に軌道からあらかじめ記録しておいた信号を地上に送信する機能しか持っていない。通信実験衛星と主張するならば、最低でも地上からの信号を受信し、別の地点に送り返すトランスポンダーの機能を持っているべきだが、そのような発表はなかった。

 このことは、過去10年の間、北朝鮮が衛星開発にほとんど力を注いでこなかったことを意味する。

 宇宙開発において、ロケットは重要技術ではあるものの基本的に「運び屋」であり、最終的な目的は「役に立つ衛星」だ。従ってロケットと衛星の開発は同時並行的に進展させる必要がある。しかし北朝鮮は、ロケットに注力する一方で、衛星の開発を事実上進めていないわけだ。

 彼らが望むものが、大陸間弾道ミサイルICBM)に使えるロケット技術であり、衛星技術ではないことが見えてくる。

ああ、全くもってその通りです。 平和利用だ、衛星発射は当然の権利だなどと言いながら軌道投入出来ず太平洋に沈んだものを「衛星発射成功」と平然と言い放つなんていうのは、本気で宇宙開発を行なっている態度ではありません。 もし「成功した」という言葉が本気だとしたら、それは衛星打ち上げの事なんかではないでしょうね。

 今回、トータルで見ると打ち上げ失敗にも関わらず、北朝鮮は一定の技術的成果を挙げたと判断できるだろう。太平洋にデータ収集のための追跡船を派遣しなかったことも、打ち上げの主目的が第1段の成功にあったとするならば、理解できる。第1段からの電波受信は北朝鮮領土内の追跡管制局のみで十分可能だ。

(4)第1段の成功の一方で、第2段以降は失敗した。様々な要素技術を組み合わせて一つのシステムとする技術は未熟である。

 第1段は成功したものの、公表された情報を見る限り、第2段以降は成功とは言い難いようだ。第2段は予定よりも早くエンジン停止を起こした模様だし、第3段は分離に成功したものの、着火せずに太平洋に落下したようだ。

 ロケットは様々な要素技術を組み合わせて作られる複雑なシステムである。1998年に続いて第2段以降が失敗したことから、北朝鮮は、個々の技術をデッドコピーから始めて国産化することは出来ても、それら要素技術を組み合わせて独自のシステムを作り上げる技術については未熟であると推察することができる。

要するにツギハギという事ですね。

意義ある海底からの残骸回収

 一部報道によると、日米は海中に沈んだロケットの残骸を引き揚げることを検討しているという。世間の注目は第3段から上を引き揚げて「衛星か否か」を検証するというところに集まっている。しかし、私は日本海に落下した第1段を引き揚げるほうが重要だと考える。これまで書いてきたように、今回の打ち上げは第1段の性能確認が主目的だったと考えているからだ。私の推定が正しければ、第1段には北朝鮮がなし得る限りの技術が投入されているはずである。

 技術的に日本が得るものはないという意見もあるが、ロケットエンジンの燃焼室回り、特に推進剤を燃焼室に噴射するインジェクターという部品が回収できれば、北朝鮮の技術水準を知ることができる。インジェクターの加工精度や、使用されている金属材料の分析から、彼らがどのようなルートで海外の技術を導入しているかが推定できるだろう。もしも、海外製の部品を使用されていたら、例えば噂は存在するものの、イラン政府は否定している、イランと北朝鮮の協力関係を示す物的証拠を入手することができるかも知れない。

やってみる価値はありますよね。 北の技術水準は未知数ですし(低いのは分かってますがw)、上手く使えば抑止力にもなり得るんじゃないでしょうか。

「脅威」口実に偵察衛星 日本の宇宙兵器開発企図 [朝鮮新報]

総連の機関誌にマジレスするのもアレですが…

一方、宇宙航空研究開発機構JAXA)の統計によると、70年、初の人工衛星を軌道に乗せて以来、運搬ロケットの打ち上げはN−I、N−Ⅱ、H−I、M−Vなど代表的なものだけでも90回を超える。94年には初の国産ロケットH−Ⅱ1号機の発射を成功させ、2001年からはH−Ⅱの改良型であるH−ⅡAの発射を続けている。

以前から国際社会では、日本のロケット技術が大陸間弾道ミサイルICBM)開発に十分に転用可能な水準にあるという評価が一般的だ。

いやだからこそ北朝鮮が衛星と言い張った所でミサイルはミサイルだと言っているわけですが。 あと日本はずーーーーっとロケットとして運用してますし、そもそも国家として信用が違います。 ミサイル乱射したり核実験強行してるような所と一緒にしないで下さいね。

日本はこれについて否定しているが、能力を保有している事実に違いはない。人工衛星を打ち上げる際、大気の摩擦でも燃え尽きないREVと呼ばれる「大気圏再突入モジュール」を搭載し、大気圏再突入実験を何度も行っている。ロケット搭載物の大気圏への再突入は、有人宇宙飛行かICBMにのみ必要なことだ。近隣諸国の憂慮は決して根拠のないものではない。

はやぶさ」ってご存知ですか?