宇宙開発委員会の資料いろいろ

平成21年宇宙開発委員会(第4回) 議事録 [宇宙開発委員会]

H-IIBについて。

MHI(前村)】 今、中村さんがおっしゃいましたように、11号機でSRB−A 4本とエンジン1つのモデルで飛ばしています。今回、4メートルから5.2メートルに直径が大きくなりますので、SRB−Aとメインエンジンとの距離はどちらかというとH−ⅡAよりは楽になりますので、今先生がおっしゃったことに関してはモデルも計算されていますけれども、距離的なものが大きくなりますので、プルームの影響はかなり楽になるというふうに事前の確認をやっております。

LE-7Aがクラスタ化されたことによる熱の影響についてですが、距離的にはむしろ楽になるそうです。もちろんLE-7A同士については既に10回くらい燃焼試験を行なってデータが取れていますので想定通りだと思われますね。

あと「かぐや」で不具合の出た外製リアクションホイールの話。

JAXA(佐々木)】 原因は大体想定がついていて、この前7月に実際にナンバー1がやられたときに、原因究明チームを作り、Ithacoとも交渉して、情報交換して、あるいは、Ithacoにも出向いて調査を行いました。 そのときの結論というのは実は原因が2つあって、2つのことが重ならないと起きないということがわかりました。1つは、ベアリングを締めるためのワッシャーのようなものがあるんですが、それが実は表と裏というのがあって、その表と裏というのを当時は管理してなかったんです。実は表と裏と若干違うんですけれども、その管理をしてなかったというのが1つあります。 もう一つは、そのワッシャーを締めるための圧、与圧をかけるんですけれども、与圧をかけて締めつけてベアリングとしての動作をさせます。その圧が小さかったことです。この2つが重なった場合に今のワッシャーとリテイナーといってベアリングを保持しているものとが当たって摩擦がだんだん増える事象が発生するということがわかりました。 これはナンバー1のときに昨年の7月の段階でわかったんですけども、当時はあとの残りは、この表と裏をつけ間違えるというのは当時管理してなかったのでこれはあり得るということだったんですけども、もう一つの圧力をちゃんとかけるというところについては大丈夫ですというお話がありました。 実際に今回起きてみて調べてみますと、実は大丈夫ですと彼らは言っていたんですけれども、ログを調べたときにそこに計算間違いがあって、やはり締めつける圧が本来の4分の1程度しかかかってなかったということがわかりました。

というわけで、どうやら製造工程に問題があったようで、アメリカの衛星にも同じようなトラブルが起きていたそうです。

安全部会(平成21年)(第4回) 議事録 [宇宙開発委員会]

HTVについて

JAXA(深津)】 NASA側と大きな考え方の違いはないと思っておりますが、基本的には、安全を確保するという観点から、緊急離脱を数回はできるぐらいの余裕量をもって搭載量を決めるという考え方でございまして、この質問の回答ページの最後に例として置いておりますが、緊急離脱作業を一番厳しいときに行ったとしても、250キロぐらい使えます。そうしますと、最低限2回はそういうことができますので、緊急離脱が2回できるぐらいの能力を持っていれば、ISSに対する衝突等を避けるのに十分な推薬ではないかということを考えて設計しております。

推進剤の余剰は大体3回くらいISSへ接近出来るだけの分量が積まれているそうです。

JAXA(虎野)】 16.5tですが、今回のH-ⅡBの試験機の打上げ結果においては、もう少し荷物を積ませていただこうかなと思って、もしかすると16.7tでお願いするかもしれません。それは初号機の飛行結果次第ですね。

HTVの合計重量は200kg増えるかもしれないそうです。以前にも上手く設計できたので200kgくらい増加できるよという話がありましたし、これの事ですよね。