月探査に関する懇談会 第4回会合 議事次第 [宇宙開発戦略本部]

先日報道された会議の資料がアップされてます。サンプルリターンを優先するのがシナリオ案1、拠点構築を優先するのがシナリオ案2だそうです。シナリオ案2を推す意見としては、サンプルリターンが中国などより後になるなら無人拠点構築で優位に立つ事を目指してはどうか、というのがあり、日照時間の長い極の高台で電力供給システムなどをプラットフォームに長期的な一次分析を実施したり天体観測も含んでいるそうです。ほー。
2足歩行ロボットについても色々話があったようです。あと的川さんが有人議論を煽ってますw

(長谷川構成員からの回答)
想定される月探査のための技術は、システム要求を経て、必要なシステム技術と要素技術にブレークダウンし、先行して研究が必要なものを識別して研究を進めています。特に月面探査の実現に重要な新規技術は、月面着陸技術や探査ロボット技術、月面エネルギー技術、輸送系技術などで、例えば、月探査ロボット技術や越夜技術はJAXA の戦略的重点研究に指定し、JAXA 内に留まらず、大学や企業等との共同研究などを行って取り組んでおります。これまで我が国の宇宙開発や航空技術開発等で培ってきた技術をベースに、月探査に要求されるレベルを満足すべく研究・開発を進めているものであり、十分に実現性があるものと考えております。
2015 年に適用しようと考えている技術は、全て地上の実験室レベルでは完成していて宇宙用の設計の目処がたっているもの、あるいは既に宇宙で実績のある技術の改良技術であり、今後2年程度で、実際に宇宙用の機器を設計、試作、試験をすることを考えています。1000kg 程度の小型探査機に使用できる着陸用エンジン、高精度着陸技術、障害物回避技術、ローバ型の探査ロボット(走行機構、誘導技術、岩石サンプルの把持技術等)、数W 程度の越夜システム(高効率リチウムイオン電池を含む)などです。
一方、2020 年に適用を考えている技術は、実用化まで5 年程度かけることはできるので、解析検討により、実現性の目処がたっている必要はありますが、実際のハードウェア、ソフトウェアの設計、製作は、今後、産業界や大学の技術を結集して開発していくことが可能と考えています。探査機の離陸技術、地球帰還カプセル技術、拠点構築用ロボット技術、数十W程度の越夜システム(高度な熱制御技術、再生型燃料電池を含む)などがこれに相当し、要素技術としては既に宇宙で実証済のもの、あるいは地上においては月面とほぼ等価な環境で動作しているものであり、適切な開発体制と開発予算が確保できれば、5年程度で十分に完成させることができると考えています。

どうやら15年頃までの着陸探査の要素技術は既に完成のレベルへ達しているという話。2015年の段階ではH-IIA1機で可能とし、2020年のサンプルリターンでは表側からは基幹ロケット大重量級(H-IIB?)2機分、裏側からは中継衛星を含むためH-IIB3機分相当の能力が必要と見積もっているようです。2020年に探査拠点を構築する場合もH-IIB3機分となっています。このへんについては、先日tusdaっておられた方のレポにH-IIBの上段増強で月軌道投入能力が2倍になるという話がありましたね。あるいはH-Xという線も?
あと資料には各国の動向も纏められてます。