有人宇宙システムの構築に向けて (4)海上回収 [宙の会]

結果として選択したのは、サービスモジュールの破片の落下海域としてはハワイ北東海域、また、帰還モジュールの回収海域としては房総半島の東方海域です。この場合、軌道離脱シーケンスとしては、帰還モジュールとサービス/居住モジュールが結合した状態で最初の軌道離脱燃焼を実施し、分離した後、別個にサービス/居住モジュールを軌道離脱させ、その2周回後に軌道離脱モジュールを軌道離脱させなければなりませんが、乗っている宇宙飛行士と帰還モジュールは日本に非常に近い海域(図の青で示した海域の中の、予め決められた1ポイント)で回収されます。

尚、複数回に分けた軌道離脱運用についてはHTVで既に実証された技術です。

一方、日本の東側には太平洋が広がっており、打上げ中の異常時のアボート後にも全フェーズで洋上に降りる事が可能であり、他国と比べて非常に大きなアドバンテージを持ちます。実は、日本は地球低軌道のみならず、月遷移軌道も含めて有人宇宙船の打上げに最も適した地理的条件を備えていると言えます。

どうやら日本本土からの有人打ち上げは海上回収にうってつけであるそうです。乗員救出は飛行艇を提案(機体は別途船舶で回収)。