月探査に関する懇談会 第8回会合 議事次第 [宇宙開発戦略本部]

先日報じられた件について、資料がアップされてました。

1. 技術
<世界初>

<我が国初>

  • 我が国初の重力天体でのロボット探査と最新鋭の地震計等による観測
    • 月探査ロボットは、目的を確実に達成し、かつ限られたリソースの中で最大限の機能を発揮できるように、軽量・低コストで、かつ高い信頼性を有する効率の良いものとする必要がある。
    • 地上での技術を過酷な条件の宇宙仕様とするために、5 年程度の時間を要することを考えると、5 年程度前には地上においてその技術の見通しが立っている必要がある。
    • したがって、ロボットについては、月探査を確実に実行するという観点でローバタイプのロボットで実施する。

2. 科学
<世界初>

  • 最新鋭の地震計等による内部構造探査を数ヶ月間行い、世界で初めて地殻の厚さや内部の密度を高い精度で決定し、月全体の主要元素組成を明らかにするとともに、「マグマの海」の冷却に伴って直接形成された岩石を採集分析し、月の地殻が形成された過程の実態を明らかにする。

3. その他
<世界初>

  • 「かぐや」による月周回軌道上からの世界初のハイビジョン映像配信に続き、月面からのハイビジョン映像を世界で初めて地上に配信する。

資金規模は、2015 年頃までに約600〜700 億円程度と試算。

また、脚タイプ、特に二足歩行タイプのロボットについては、2020 年までの実現を目指すためには、不整地・砂地における歩行の実現性を早期に見極める必要がある。なお、今後の地上サービスロボット等での技術開発の進捗次第では、2020 年より後に、人との連携などが想定される場合には、二足歩行タイプの活用も考えられる。

2015年頃の月探査についてはこんな感じで、やはりSELENE-2相当という感じです。あととりあえずローバーに落ち着いたようですw まあ脚がどうのこうのという部分だけで盛り上がってる状況もいい加減不毛な気がしてましたけども、一言でいえば「使い物になれば使う、現実的にはローバーで」という感じで纏まったようです。あと技術目標・科学目標まで入れると長いのでリンク先で。

(1)第1ステップの技術基盤の構築
有人宇宙活動に関わるシステムの中でも、有人ロケットや有人宇宙船などの有人往還システムは、探査目標にかかわらず、有人宇宙活動の根幹となるシステムであることから、その鍵となる要素技術等の研究開発に重点を置くこととし、システム検討とともに有人に特有なエンジンの安全化技術、緊急脱出技術、生命・環境維持技術、帰還の安全化技術などの研究開発から進める。その他の有人探査システムなどの技術については、ISS の活動やロボット月探査の実現により基本的な技術を蓄積しつつ、具体的目標が明確になった時点で、それまでに蓄積した技術を発展させ、本格的な研究開発に移行することを検討する。
(2)研究開発の目標
2020 年頃までに、有人往還システムの鍵となる要素技術等の実現の見通しを得ることを目指し、まずは基礎段階の研究開発に取り組む。なお、適宜研究開発の進捗や国際的な動向などの状況を踏まえて見直すこととする。
(3)ロボット月探査等との連携による効率的な研究開発
研究開発を進める上で、ロボット月探査の取組等を通じて得られる成果、国際宇宙ステーションや基幹ロケット等への取組から得られる成果等を研究開発に有効活用し、これらの取組と密接に連携しつつ、着実かつ低コストに研究開発を進めることが重要である。なお、研究開発の過程で必要となる宇宙での技術実証に当たっては、これらの宇宙活動の機会を有効に活用することにより、研究開発を効率的に進めることとする。例えば、有人宇宙船の要素技術の一つである帰還の安全化技術の確立に向けて、現在、国際宇宙ステーションへの物資の輸送・補給を担っている宇宙ステーション補給機(HTV)を活用して、帰還の安全化技術につながる再突入技術の実証を行うことなどが考えられる。
このような効率化を図ることで、2020 年頃までの資金規模としては、900 億円程度と試算。(なお、その後の実機規模の研究開発のための第2ステップには、数千億円規模を要する見通し。)

有人についてもわりと具体的な文言が明記されてますね。HTV-Rについては今年度から2015年を目標に研究開発が始まったようですし、この流れにはちょっと期待したいところです。