はやぶさ2プロジェクトについて [JAXA]

ついに「はやぶさ2」が宇宙開発委員会入りしたようです。

はやぶさ2の計画について検討を行った。更に開発に向けて必要なフロントローディング等の作業を識別した。現時点において、JAXAとして開発研究段階に移行できる設計段階に到達したと判断する。

ターゲットとなるC型小惑星の軌道の都合上から2014年打ち上げがリミットですが、前倒し出来るものからどんどん進めていきたいという話のようです。

「はやぶさ」後継機、太陽系の起源解明に挑む [日経]

 同日開いた文部科学省の宇宙開発委員会に報告した。同委員会は来年度予算の概算要求に製造費を盛り込むべきかどうか専門の部会で本格検討することを決めた。8月上旬までに結論を出す。

 後継機はカプセルを地球に送り込んだ後、機体本体は別の天体の探査に向かう機能を盛り込む考え。複数の任務を果たす万能型となる。

今後8月頃まで詳細な審議を行ない結論を出すそうです。あと再突入カプセル投下後の後期ミッションもしっかり盛り込むようですね。これは通って欲しいなあ…。

開発研究(フェーズB)と開発(フェーズC) [松浦晋也のL/D]

松浦さんのレポ来ました!

 開発研究とか開発といった紛らわしい用語は、計画の各段階を示すもの。遡れば米航空宇宙局(NASA)が計画管理に使っていた「フェーズA〜D」という用語を日本語化したものだ。
フェーズA「研究(あるいは概念検討)」:新しい宇宙機やロケットをどんなものにするかのコンセプトの検討を行う
フェースB「開発研究」:コンセプトから一歩踏み込んで、設計作業を実施してより現実的に実現可能性を探る。一部新期技術は先行開発を行ったりもする。
フェーズC「開発」:実機の設計と製造
フェーズD「運用」:実機の運用

 今回はイプシロンが、「実物の開発に入るよ」という段階に来た。いっぽう、はやぶさ2は、まだ「開発」段階にまで至っていない。その一歩手前のステップアップである。

なるほど、どうやら開発に入るまでにはあと一段階あるようです。

 今回の審議の中で明らかになったが、目標とする小惑星1999JU3に対するはやぶさ2の打ち上げウインドウは2014年7月。ロケットの打ち上げ能力が十分にある場合は、地球スイングバイを省略可能で、この場合は2015年(おそらくは7月)に打ち上げることができる。

2014年というのは地球スイングバイ込みのスケジュールだったようです。「あかつき」のようにH-IIAでの打ち上げなら時間に多少余裕が生まれるみたいですね。が…

 今年度内にもう一回ネジを巻いて、「開発開始」への手順を踏むことができるかどうか。今回の説明に出席していたJSPECの長谷川義幸統括リーダは、記者に対して何度も「ぎりぎりです」と繰り返していた。

と、いずれにしても既に押している状況であります。

青江委員
 サイエンスのほうをかなり全面に出した説明をしているけれど、サンプルを持って帰ってくるテクノロジーをきちんとしたものにする、ということを完全にパラレルに説明してもいいかなと思う。そちら方向でも検討してもらえればと思う。

吉川
 我々もそのように考えている。

池上委員
 大きな探査という流れの中の位置付けもできるといいな、と思う。サイエンスだけではなくエクスポラレーションで位置づけるということ。サイエンスだけで押していくと、サイエンスの側はやりたいことがいっぱいあるのでフラストレーションを感じてしまうかもしれない。

松尾浩道研究開発局参事官
 今回は開発ではなく、開発研究への移行である。ただし開発フェーズ移行で審議すべきことも可能な限り審査する。

はやぶさ」も各要素の信頼性という面で課題が残っていますし、そこんとこ詰めるためにも少しでも時間は欲しいですよね。

 今回驚いたこと。

 はやぶさ2の審議の後も、宇宙開発委員会は別の議題の審議が続いたのだが、終わって、吉川准教授と長谷川リーダが退席した途端、傍聴していた記者達が我先に退席して後を追い、文科省の廊下で臨時のぶら下がり取材となった。
 今まで傍聴していて、委員会途中で一気に記者が退席するのを見たことがない。現在の一般の興味がどこにあるかが、こんなにはっきりと形になるのを初めて見た。

すごいですねコレ。なんかもう、番記者とか出来ちゃってるんじゃないですか? てかIKAROSイプシロンの記事が少ないのはもしかしてこのせいかw