ISASコラム > 宇宙・夢・人 > 第71回:奇抜なアイデアを美しく実現しよう [ISAS/JAXA]

あの「ミネルバ」を開発された方。

はやぶさ」は、とても珍しいミッションです。突然通信が途絶してしまう場合は別として、ミッションの終了を決めるのはとても難しいものです。探査機の機能がだんだん失われていく中、まだいけるか、もう限界かを見極めなければいけません。それに対して「はやぶさ」の場合、大気圏突入でミッション終了、とはっきりしています。月周回衛星「かぐや」も月面に衝突してミッションを終えましたが、その様子を直接見た人はいません。

確かに有人機を除けば基本的に行ったきりですから、目に焼き付けられたというか、万人にその最期を看取られるミッションってそう無いですよね。

ミネルバ」は直径12cm、高さ10cm、重さ591gの超小型の探査ロボットで、小惑星イトカワの表面を跳びはねながら、温度を測定し写真を撮影する計画でした。2005年11月12日に「はやぶさ」から放出されましたが、着陸に失敗してしまいました。そのときから、もう一度チャレンジしたいと思い続けてきました。現在、改良を加えた「ミネルバ2」を「はやぶさ」に続く小惑星探査ミッションに搭載することを提案しています。

はやぶさ2」では是非リベンジを果たして欲しいですね。「はやぶさ」ではかなりドタバタした中で行なわれましたから。

検討中の小型月探査技術実験機(SLIM)に、1kgくらいの小型探査ロボットを搭載することを計画しています。それは、膨らむロボットです。探査機から放出されると、まずエアバッグが膨らみ、着陸時の衝撃を吸収します。無事着陸すると、車輪が大きく膨らみます。SLIMと呼ばれているように、このミッションの特徴は「小型」です。しかし、小さいと移動には不利です。そこで、車輪を大きく膨らませることを考えたのです。

へえ、SLIMに! これはとても面白そうです。低重力ですし構造を簡素化して軽量化しやすいかもしれませんね。