「あかつき」エンジン噴射口が脱落の可能性 [読売]

む!?

 金星を回る軌道への投入に失敗した宇宙航空研究開発機構の探査機「あかつき」は、エンジンの噴射口が割れて大部分が脱落した可能性が新たに出てきた。

 燃料が正常に供給されずに異常燃焼が起き、噴射口が過熱して破損したと宇宙機構ではみている。噴射口の大部分が脱落していれば、進む力は低下するがまっすぐ進めるため、6年後の軌道投入に望みが出てくるという。

 宇宙機構の分析では、探査機はエンジン噴射から2分32秒後に姿勢を崩し、まっすぐ進む力も低下した。しかし直後に、その力を取り戻している。

 このデータをもとに専門家らは、まず高温燃焼でできた噴射口の亀裂からガスが噴き出して姿勢が崩れ、その亀裂がさらに進んで最終的に噴射口の大部分が脱落したと推定している。

正確な情報は公式発表を待つとして… 確かに加速度履歴のグラフは姿勢異常と同時に急速に減少した後に再び上昇していますので整合性はありそうですね。

で、「やっぱり新型スラスタのせいで」という話ではなく、多分破損は推進剤タンク圧減少のせいかもしれません。スラスタ噴射における燃焼ガスの温度は2000度に達しますが、従来のニオブ合金製スラスタは耐熱温度は1300度、セラミックスラスタは1500度で、その差は酸化剤に対し推進剤を多めに吹く事で燃焼ガスからノズルを保護する断熱効果で埋めています。今回その推進剤が不足したために断熱効果が低下し熱応力による破損を招いたとも考えられます。これが原因とすると恐らく従来のスラスタだったとしても似たような事になったのではないでしょうか。

もちろんノズルスカートが無いとなると性能は低下し、ドゴォォォー!がドゴォー!ぐらいになるかもしれませんが、推力方向は狂わなくなるので使用できる可能性が高くなりますね。推進剤の残量とか計算して確認しないといけませんが。