記者の目:失敗に学んで再挑戦しよう=山田大輔 [毎日]

 「また弁か」。昨年末開かれた文部科学省の調査部会で報告を受けた委員からため息が漏れた。「のぞみ」も安全のため追加した別の型の弁の作動不良で投入に失敗したからだ。当然、「のぞみ」でも再発防止が課題になったが、当時の文科省の報告書を読み返すと、積み残しがあったことが分かる。

 一つは「のぞみ」「あかつき」ともに「急所」の弁が米国製であることだ。これらの宇宙用部品は少数生産のため国産化できず米国頼み。このため「機微な技術情報」を理由に設計図など詳しいデータが開示されない。分解も禁じられ、「のぞみ」失敗時も原因究明には限界があった。

 第二に、輸入品を使うとしても自前の試験で信頼性を確保する対策が不可欠だが、失敗の教訓を十分生かせていない。「のぞみ」の報告書は、試験方法の再検討など取り組みの強化を指摘していたが、「あかつき」で改善したか否か、文科省も確認をしていない。徹底した検証なしに「三度目の正直」はない。政府は将来、有人宇宙船の開発を検討しているが、品質管理体制の見直しは、リスクを減らすため絶対に欠かせない。

そのHTVも仕分け対象で1割縮減なんですよね。一体どこにしわ寄せが行ってるやら気が気でありません。ちなみにHTVの弁は並列+直列で冗長化してあるそうです。海外の衛星なんかだとわりと標準的な構成のようですが、日本じゃHTVくらいだとか。もちろんそれだけやると重量もかさみますしコストも増えます。