H2Bロケット 打ち上げ精度、世界市場にアピール [日経]

こうのとり)」2号機を積んだH2B種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた後の会見で、JAXAの中村富久H2Bプロジェクトマネージャはこう胸を張った。「ど真ん中に入った」とは、H2Bがほぼ予定したとおりの軌道をきっちり飛んでいるという意味だ。

 「ど真ん中」のすごさを知るには、3つの指標の計画値と実測値を比較すればわかる。投入軌道の位置を知る「遠地点高度」、「近地点高度」、「軌道傾斜角」の3つだ。26日にJAXA文部科学省の宇宙開発委員会に報告したデータによると、遠地点高度の計画値は300.0キロメートルで実測値は300.2キロメートル、近地点高度は200.0キロメートルに対して200.3キロメートル、軌道傾斜角は51.67度に対して51.67度だった。ほとんど誤差がない水準で、「姉妹機のH2Aを含めても過去最高レベルの投入精度」(JAXA)という。

 トラブル件数も減っている。打ち上げに支障を来しかねないレベルを1件として数えると、今回は20件。2009年9月のH2B初号機の35件から大幅に減った。

 12回連続で成功している姉妹機のH2Aでは同様のレベルのトラブルは1機当たり10件ほど。01年のH2A初号機では100件を超えていたことを考えると、H2Bも短期間のうちに10件程度に減らすことは十分可能といえそうだ。

軌道誤差2・300mとか半端無いですね。H-IIAと共通部分が多いからか、トラブルも最初から少ないようです。

こうのとり 成功は技術と信頼の証し [産経]

 現在のこうのとりは、片道の物資輸送機で、任務を終えるとISSのゴミを載せて大気圏で燃え尽きる。JAXAは必要な物資の持ち帰りが可能な回収機能を持たせようとしている。そこで培った大気圏再突入の技術を、有人宇宙船開発につなげる構想もある。

 精度の高い運用を続けながら、未来の宇宙開発に向け、こうのとりを大きく育ててほしい。

 問題は、育てた後の羽ばたき先について、国の方針が定まっていないことだ。政府の宇宙開発戦略本部は、宇宙開発に関する施策を総合的、計画的に推進するために設置されたはずなのに、肝心の有人宇宙開発についての論議は棚上げにしたままだ。

 国民がこうのとりに大きな夢を託せるよう、早急に宇宙開発の基本構想を打ち出す責任が、政府にはある。

なんかうまいこと言ってます。